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社員リレー・エッセイ ⑦高橋 雄輝(仕入部)

公開日: : 最終更新日:2017/08/10 ライブラリー, 新・連載エッセイ, オフィス便り

「海とワイン」

 ワインに詳しい、甲府の使者、北澤さんに続き、ワイン歴の短い入社一年目、仕入れを担当しております高橋 雄輝が今回のエッセイを執筆させていただきます。出身が神奈川県逗子市で海から2分の場所に住んでいるということもあり、海とワインについて書かせていただきたいと思います。

 人生のうち、一時期パリに滞在していた期間を除いてずっと逗子市に暮らしています。大学の時は通学時間2時間20分、往復で5時間近く。ラシーヌへの通勤は1時間50分ほどです。良く聞かれることは、なんでそんな遠いとこからわざわざ通っているのかということです。それは逗子に帰ると海があるからです。潮の香りや波の音に癒されます。親離れならぬ、海離れをするべきかもしれませんね。

 私がワインに引き寄せられ続けている理由の一つ、それはフランスの海岸でワインを飲んだ経験がいつまでも頭から離れないからです。2015年12月5日、内陸のパリにいて、ちょうど海が恋しくなってきたころ、フランス・ブルターニュ地方のサン・マロという町に白ワインとグラスをもってカキを食べにいくという小旅行をしたときのことです。その時のワインの生産者名は残念ながら覚えておりません。プイイ・フュメだったということは覚えていますが。12月のサン・マロは曇り空で冷たい風が吹き、木箱に入ったカキを2ケースほど買って、海岸で食べました。カキは小粒であまりおいしくありませんでしたが、サン・マロの曇り空のもとで飲んだプイイ・フュメは、目の前の海に自分が溶け込むかのように感じさせるものでした。正直に言いますと、ワインの味わいは覚えておりません。しかし、ワインの香りは海の潮の香りとうまく合っていて、また久しぶりの海に胸が躍り、この上なく幸せに感じました。あの時、あの場所で飲まなければそのような体験もできなかったでしょうし、海がワインを私にとって特別なものにしてくれた瞬間でした。

 ワインをフランスで知ってから日本でも頻繁にワインを飲むようになりました。東京でワインをたくさん飲み、酔っ払いながら運がよければ1時間ぐらいかかってようやく逗子駅につきます。そのまままっすぐ海に向かいます。砂浜についた瞬間、急に酔いが醒め、その日に飲んだワインや、一緒に飲んだ方々のお話、料理の味などいろいろなことが思い出されます。そして、ワインの素晴らしさを再確認するのです。その一回一回のワインを中心とした凝縮された思い出が、私のワインに対する情熱を形作っています。そしてまた、この時間は素晴らしいワイン、一緒にワインを楽しんでいただける方々、おいしい料理への感謝の気持ちを感じる場でもあります。

 仕入れの仕事を始めてからは、常に最高のコンディションでワインを運ぶためにはどのようにしたらいいかを考えています。海の向こうからワインを運び、みなさまに楽しんでいただくためにこれからも尽力していきます。

 次回のエッセイはインドの使者、入 川さんにお願いします。


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