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社員リレー・エッセイ ③太田 亜紀 (業務管理部)

「美味しそうな美術展」

 もともと食べることが大好きな性分でしたが、美味しいもの情報が溢れているラシーヌに入社し、早○年。ますます食べることへの興味が増している、太田です。

 食べることが大好きな社員が多いので、季節の食材や、美味しい調味料などの情報を交換し、また旅行に行くとなれば、その地方出身の社員や、旅好きの社員にその土地で食べるべき食べ物、訪ねるべきお店等を教えてもらってから旅程を組む等、食べることを中心に日々の生活が回っていると言っても過言ではありません。

  食べることへの執着心が増していくにつれ、お料理を盛り付ける器にも興味を示しだした今日この頃、幸運にも東京ではいくつかの美術展が開催されておりましたので、出かけてきました。

 【古伊万里 ―染付の美― 展】 戸栗美術館

【朝鮮工芸の美】 日本民藝館

【北大路魯山人の美 和食の天才】 三井記念美術館

  古伊万里の展示は、時を経るごとに染付の技術の向上がよくわかる展示になっており、朝鮮工芸の美では、先に見た古伊万里によく似た器を見つけ、その時代に物や技術の交流がすでにあったのだと驚き、二つとも新たな発見がある展示でしたが、何より惹きつけられたのは北大路魯山人の展示でした。

  陶磁器の事は全く詳しくないので、美術展を見る時のポイントは極めて単純明快。自分の好みかどうか?のみです。自分だったらこの器で何を食べたいか?プロならどんなお料理を盛り付けるのだろう?作陶した人は、何をどのように盛り付けるつもりで造ったのか?などと、お料理と結び付けて、美味しい妄想を膨らませますが、「器は料理の着物」の言葉を残しただけあって、この展示には食いしん坊にはたまらない、料理が映えそうなワクワクする器が並びます。

  ご存知の通り魯山人は陶芸家や料理研究家として有名ですが、こんな器を作った魯山人とは、どんな人物だったのか?気になって展示内の略歴を見ると、不遇な生い立ち、強烈な個性の持ち主、人と対立することも多く、波乱万丈の人生だったようです。家柄も育ちもよく、小さなころから美味しいもの・美しいものに囲まれて育ったからこその審美眼だとばかり思っていたので、この事実には驚きましたが、「美」・「食」に対する強い憧れやこだわりがあって産まれた作品だからこそ、今なお多くの人を惹きつけるのかもしれません。

  作品は明治から昭和にかけて作られたものですが、現代も全く古びることなく、むしろ銀彩などは時を経て味わいのある様に変化を遂げていることに、器と自分を重ね合わせるのもおかしな話しですが、味のある、いい年の重ね方をしたいな、と食べること以外の感想を持ったことに自分でも驚いています。展示会では、つい最近作品の入れ替えがあったようなので、もう一度足を運んで「美」・「食」への関心を深めるのはもちろん、自分が器と向き合った時にどんなことを考えるのか、改めて楽しみです。

 

  次回のエッセイは、いつも明るく元気な営業部の馬場さんにお願いします。お楽しみに。


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