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合田玲英のフィールド・ノートVol.75 《 2019 年 11 月販売開始ワイン 》

 今年のボジョレー・ヌーヴォーの解禁日は11月21日(木)です。
 ラシーヌでは、ロワールのヌーヴォーを扱っていますが、ボジョレーのように解禁日の制限もなく、ボジョレー・ヌーヴォーにはない白ワインが造れるのがいいですね。今年も、ピエール=オリヴィエ・ボノム、ティエリー・ピュズラ、ジョー・ランドロンのヌーヴォーが入荷します。お楽しみに!

 ちなみに、ティエリーのヌーヴォーは2017年同様、約半分はボジョレー産のガメが使われます。2019年もやはり、遅霜の被害は大きく、買いブドウでさえ、トゥーレーヌ周辺のガメを見つけることが難しい状況です。ロワールではこの5年間のうち4回、遅霜で大規模な被害が出ました。日本でも、10月にもかかわらず台風がたて続けにやってきており、どちらも、これからは毎年起こり規模もさらに大きくなることを前提として、対処していかなければならないのでしょう。

 温暖化により春先の気温が上がり、発芽が早まっているのも、遅霜による被害が大きくなる一因でもあります。ドメーヌ・ランドロンでは植え替えの際、発芽のタイミングの遅いフォル・ブランシュ種を積極的に植えています。ランドロンはミュスカデ・ヌーヴォーなので、ムロン・ド・ブルゴーニュ種しか使えませんが、フォル・ブランシュ種は早熟でアルコール度数が低く、酸も特に高い土着品種であるため、彼のアトモスフェール(ヴァン・ムスー)で重宝するそうです。
 その他には、ティエリーのように違う地域のブドウを購入するという手段もあり、実際、南フランスのブドウを買ってワインを造る北フランスの生産者も増えてきていて、そういったワインを目にすることも多いのではないでしょうか? 買いブドウのワインは、造り手の醸造法を強く感じさせるエキセントリックなものもあれば、ブドウは他所のものであっても造り手の地域や文化圏の背景を感じることのできるワインなど、様々です。
 北の収穫量が良くて、南の収穫量が悪い年、というのはまだ記憶にはありませんが、南の地域の人が、北の地域で収穫されたブドウで造るワインも出てくるかもしれません。ブルゴーニュで収穫されたピノ・ノワールやシャルドネを使って、南の地域の人が醸造できる機会は多くはなさそうですが…。
 ヌーヴォーの詳しい情報は、別途配信の資料をご覧ください!

 さて、ピエモンテ、ロエロから新規取扱い生産者の登場です。
 2015年から新たにワイン造りの世界に飛び込んだジュゼッペと、パートナーであるギリシャ出身のキリアキの二人が目指すのは、自由な発想でありながらも、あくまで土地と“伝統”に忠実なワイン造りです。情報発信にもかなり力を入れています。と言うより、SNSでの発信が好きで、うまく活用しています。
 ジュゼッペの世代では、オレンジワインという言葉に抵抗のある(一言いいたいことのある)、上の世代とは違い、“ オレンジワイン:トレンドか原点回帰か? ” というタイトルの記事を、自身のワイナリー説明に載せるほどには、オレンジワインという言葉が、当たり前の言葉になりつつあるのでしょう。HPが英語でしか書かれていないのにも、ちょっと驚きました。

 以下、弊社資料より。
【ヴァルディソーレ】 イタリア / ピエモンテ / ロエロ
 トリノで別の分野で働きながらも、ジュゼッペ・アマートはガストロノミーの世界に魅了されてきました。興味の対象は次第にワインそのものへと深く向いていき、2015年に自分のワイナリーを持つ夢をかなえます。ワイン造りが家業ではなかったジュゼッペは、ある日web上で売りに出されていた、0.5ヘクタールの小さなネッビオーロの畑を目にします。後日、実際の畑を目にしたときに、ジュゼッペの心は決まりました。太陽“ Sole ”の谷“ Val ”という名前からも分かる通り、真南向きの斜面に植わる樹齢60歳の畑に、彼の情熱はかきたてられました。
 ジュゼッペのワイン造りには、地域やワインそのものの歴史と、現代のナチュラルワインムーブメント、尊敬するアルザスやフリウリの生産者たちから、多くの影響を受けていることが分かりやすく見て取れます。その分かりやすさを感じさせない造りができるようになってくると、さらに面白いワインになるだろうと期待しています。現在は、ロエロの砂質土壌由来のタンニンを強く感じさせないよう、果皮成分の抽出には気を付けていますが、アルコール度数も14%前後と、果実の成熟の感じられるワイン造りをしています。
 2019年現在トリノに住みながら、ロエロの畑とモンフェッラートにある醸造所を行き来していますが、「一刻も早く、畑中心の生活にしたいのだけどね」と、ジュゼッペは話しています。

ジュゼッペ考案の、ステンレスの蓋を使え るようにした、木製タンク。

ジュゼッペとパートナーのキリアキ(ギリ シャ出身)。ワインのエチケットも、ギリシャ語で表記がされている。

新しくジュゼッペの植えた、ピエモンテの品種の混植される畑。

斜面中腹に見つけた小さな穴。物置として
使われていたようだが…。

ラシーヌとの取引確定時に、valdisole.wine のインスタグラムでシェアされたイメー ジ。少人数でも、一本開けやすいようにと考えて、通常サイズを 500ml でビン詰めすることに決めた。


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