クレマン・ロベールの「町はずれの菜園」で、健やかな食を
Les jardins sous la ville de Clément Robert pour manger sainement
フランス北東部オーブ県の地方紙『L’Est-Éclair』のBar-sur-Seine地域面に、2026年6月5日付で掲載された、シルヴィ・ヴィレ(Sylvie Virey)記者による記事を日本語訳しご紹介します。
ドメーヌ・レオンのクレモン・ロベールが始めた、地産地消の野菜農園についての記事です。

ランドルヴィル村の若きブドウ栽培家が、バイオロジック農法による野菜栽培に乗り出し、自らのブドウ栽培農園で、かつての複合農業の伝統をよみがえらせている。季節の野菜を短い流通経路で提供できている、と喜ぶ。ランドルヴィル村のヴィル=シュル=アルス通り1の2では、野菜の販売が始まったばかりだ。「町はずれの菜園」で採れたばかりの野菜は、バイオロジック農産物や地産地消、生産者との直接的なつながりを大切にする人々の手に渡り、彼らの食卓を彩る。若きブドウ栽培家クレマン・ロベールは、バイオロジック農法による野菜栽培を始め、バール=シュル=セーヌ地域の人々に良質な農産物を届けているのだ。
倫理的にも社会的にも、野菜を地元で生産し、地元で消費するというのは、とてもよい考えのように思えました。それは味覚の面でも、環境の面でも同じことです
クレマン・ロベールは、この地域で活動する、行動力と勇気を備えた30代の一人。同時に、環境を気遣い、尊重し、先祖から受け継いだ土地に寄り添う者の一人でもある。
ランドルヴィル村のブドウ栽培農園を引き継いだとき、醸造を再開し曽祖父の名にちなんだドメーヌ・レオンを設立したとき、2023年の収穫から昔ながらのデュボワ社製垂直式圧搾機を再び稼働させたとき、そして昨年昔の農家が行ってきたように農業を多角化し季節の野菜の農園を始めたとき、クレマンは先祖に思いを馳せる。
彼が魅力を感じる複合農業の形
アヴィーズとボーヌで学び、その後、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドで経験を積み、さらにクルトロン村のシャンパーニュ・フルーリーで働いたクレマン・ロベールは、そうした経験から最良のものを吸収した。そして2019年に家族のブドウ栽培農園を引き継いだ時点で、自分が何をしたいのか、そして何をしたくないのかを明確に理解していた。こうして彼はブドウ畑をバイオロジック農法へ転換し、その後、バイオダイナミック農法へと移行する。
「2024年の収穫は壊滅的でした。いろいろと考えるなかで、昔の世代がしていたように、複合農業や家畜飼育を取り入れ、農園を多角化できればよかったのではないかと思ったのです」
彼はそう話し、さらに続ける。
「その点で、とても共感するドメーヌがあります。エソワ村のリュペール=ルロワや、レ・リセのオリヴィエ・オリオです。彼らはブドウ畑だけでなく、ブドウ以外の農地や家畜の飼育もしています。このようなモデルは、ある意味でバイオダイナミック農法にも通じています。というのもモノカルチャー(単一栽培)の中でバイオダイナミック農法を行っても、循環は完結しないからです」
身近に手に入る季節の野菜
クレマン・ロベールは14頭の羊を飼っており、冬にはブドウ畑で、夏には草地や果樹園で放牧してきた。それでも彼が着目したのは、この地域では比較的珍しい野菜栽培だった。
「以前から家の裏でトマトを3、4株ほど育てていました。しかし、それは仕事の一部として組み込まれていたわけではなく、あくまで副次的なものでした。倫理的にも社会的にも、野菜を地元で生産し、地元で消費するというのは、とてもよい考えのように思えました。それは味覚の面でも、環境の面でも同じことです。そして何より、身近な人に季節の野菜を食べてもらいたいのです」
2025年、彼は当然ながらバイオロジック農法を用い、300㎡の土地で野菜栽培を始めた。そして、ランドルヴィルの低地にある地名を取り、「Les jardins sous la ville : 町はずれの菜園」を立ち上げる。
「初年度はすべて自家消費しました。まずは練習するためでした」
彼はそう付け加える。手応えを得た彼は、今年、野菜栽培の面積を複数の区画にまたがる1,500㎡まで拡大した。引き続きバイオロジック農法とパーマカルチャーを実践し、年間を通じた独立した事業として成立させ、雇用を一つ生み出すとともに、農園で野菜を販売することを目指している。
「考え方としては、畑の中で数多くの輪作を行うことです。畝や栽培床を作り、年間に2種類、場合によっては3種類の野菜を育てます。土はあまり耕さず、天然由来の肥料や堆肥、コンポスト、植物性廃棄物などを使っています」
年間を通じて、30種類から40種類の野菜やベリー類を栽培。さらに、それぞれの作物に複数の品種があり、レタス、ズッキーニ、蕪、ふだん草、白菜、セロリ、ケール、ほうれん草、フェンネル、各種冬野菜などが育てられている。
販売は水曜日の夕方に行われ、一般客を対象としている。一方で、クレマン・ロベールはすでに飲食店や事業者とも取引を始めた。たとえばジェ=シュル=セーヌの「シェ・ブルー」、エソワの「リュニオン」、「カフェ・デュ・サントル」、さらに「オ・クリウール・ド・ヴァン」などへも野菜の配達を始めた。
彼は学校給食にも野菜を提供できるよう、関係者とのつながりを築きたいと考えている。とりわけ念頭に置いているのは、中学校の給食だ。
「季節労働者にも野菜を分けていますし、収穫期には従業員の食事にも使っています。収穫作業員に翌年も戻ってきてもらうには、きちんと食べてもらうことが大切ですからね」
クレマン・ロベールはそう話し、人々に受け入れられるなら、この事業をさらに発展させたいと意欲を示す。
レ・リセ村のクリスティーヌ・グランダンの店で開かれる、小さな生産者市場
クレマン・ロベールは、レ・リセの「カフェ・デュ・サントル」でも野菜を販売する。また、他の生産者たちとともに、ジェネラル=ド=ゴール通り80番地にあるクリスティーヌ・グランダンの店へ商品を持ち込むことも計画中だ。
6月17日から、毎月奇数週の18時から19時まで開催し、「フェルム・デュ・シャルム・デュ・ムーラン」の農産物とチーズ、さらに「ラ・バス=クール・ド・ジュリアン」の商品も加わり、地産地消の品ぞろえがより充実する見込みだ。
「まずはこの形で始めます。その後、どのように発展していくかを見ていきます。需要に応じて、開催日や方法を変更することもできます」と、クレマン。
