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Racconti

取り組みの記録
https://www.roagna.com/racconti/

 


 

 Luci infrarosse e inversione termica
赤外線ライトと気温逆転層

ブドウ栽培家であるということは、土壌と気候を理解し、気象の変動や自然のサイクルに応じて栽培方法を適応させることでもある。

 経験によって培われた観察力と知識こそが進化を見守るための羅針盤であり、それはブドウ樹を健全な成長へと導き、それが果実となり、最終的にはグラスの中で表現される。実際、季節から季節へ、年から年へと気候は変化し、干ばつや降雨の不足から、本来は温度変化が穏やかな時期であっても朝方の温度の低い期間が長引くなど、しばしば極端な状況がみうけられる。
 寒い時期には、気温逆転層という現象が起こることも珍しくない。日が沈むと地表は急速に冷却され、それに接する空気も冷やされて低空に滞留する。一方で上空には比較的暖かい空気が残り、気温の逆転層が形成される。地表の空気層は、上空の空気よりも著しく低い温度に達し、氷点下になる場合もある。そしてその冷気の層は、霜害という形でブドウ樹の生育を損なうおそれがある。
 霜害に対抗するため、私たちの畑では“赤外線ワイヤー”という新しい技術を導入した。これは太陽放射の原理を利用したもので、ワイヤーから奔出される赤外線エネルギーが物体(この場合はブドウ樹)に当たることで熱に変わるのだ。
 区画のより大きいバルバレスコ・パイエおよびバローロ・ピーラの区画では、送風機を使用しており、霜害からブドウ樹を守るうえで重要な役割を果たす。高所のより暖かい空気を地表へ送ることで、畑の上に保護層を形成し、霜による被害のリスクを軽減し、植物の生育サイクルを守るのだ。

 


 

Sperimentazione di viti da seme
種子から育てるブドウ樹の試み

生物多様性を守るため、種に立ち返る

 ブドウ樹は伝統的に栄養繁殖(挿し木や接ぎ木)によって増やされてきた。大量選抜やクローン選抜がその代表である。クローン選抜が、遺伝的に同一の一株または少数の株から新たな畑を作るのに対し、大量選抜の選別元は畑全体を対象とし、同一品種内で最大限の遺伝的多様性を保つことを目的としている。
 では、この遺伝資産を守るだけでなく、さらに遺伝的多様性を促進・拡大する技術は存在するのだろうか。その答えは「種子」にある。
 私たちは数年前から、最良のブドウ樹の種を播き、新たな子世代の植物を生み出すという古い慣行を復活させている。これは、現在の気候条件に適応した「新鮮な」遺伝素材を選抜するためである。

ブドウ栽培の新たな展望

 種子による繁殖は、環境条件の変動に対して脆弱になりつつあるブドウ樹への有効な答えの一つである。この方法によって、親に非常によく似つつも、いくつかの異なる、唯一無二の特性を持つ子世代のブドウ樹を得ることができる。人間と同じように、自然界においてもこの変異性は進化の決定的な要素となり得る。
 適応した品種は病害や気候変動に対する耐性が高く、またこの技術はブドウ栽培の黎明期からそうであったように、新たな品種選抜への興味深い可能性を切り開く。

 


 

Il documentario
ドキュメンタリー

 ノルウェーの二人の熱心な写真家、Helge Hansen と Montag社 の Jonas Boström が、私たち、私たちの仕事、そしてワインを描いたミニドキュメンタリーを制作してくれた。

※視聴は以下のリンクから
https://www.roagna.com/racconti/il-documentario/

 


 

L’importanza dell’inerbimento
草生栽培(下草管理)の重要性

ブドウ栽培とパーマカルチャー

 近代農業が自然を制御するという考えに基づいているのに対し、私たちの思想は自然環境との協働を中心に据えている。複雑な生態系や自然のサイクルと向き合うことで、農業は常に進化し続ける実践であるべきだと考えている。
 パーマカルチャーの原則や、マサノブ・フクオカの著書『わら一本の革命』で示された思想には、私たちの考えと多くの共通点がある。それは、長年の醸造経験とともに成熟してきた思想でもある。
 動物であれ植物であれ、すべての生き物は生態系の中で固有の役割と居場所を持っている。私たちが言う生物多様性とは、まさにこの繊細な「自然の力」の均衡を指す。
 フクオカの「何もしない農業」の原理は、私たちのブドウ栽培の考え方に非常に近い。すなわち、人の介入を最小限に抑えた非侵襲的な実践である。そのため、可能な限り森林を残し、畑では多年草による草生栽培を推進してきた。生命と多様性、豊かさに満ちた光景である。

 気候変動の影響に立ち向かう

 2001年までは、私たちのブドウ畑では草刈りを年に一度行っていた。しかし気象サイクルの変化も踏まえ、2002年からは全面草生栽培を選択した。それはブドウ畑を、多様性に満ちた庭のような場所にしたいと考えているからだ。
 例えば、ピーラの畑では数多くの野生のミントが、花やキノコ、さまざまな草、小さな低木とともに育っている。土壌は生命であふれている。昆虫や蝶、鳥、ミミズ、小動物がバランスを保ちながら共存しているのである。
 踏み固められた草は天然のマルチとなり、土壌を涼しく保ち、蒸発を遅らせるうえで非常に重要な役割を果たす。これにより、ブドウの樹がストレス状態に置かれるのを防ぐことができる。むしろ、土壌の豊かさと活力のおかげで、根は深くまで伸び、地下から貴重な要素を吸い上げることができるのである。土から生まれるものはすべて貴重な資源である。例えば剪定で出た枝は畝間に敷かれ、数年のうちに自然に分解され、有機物として土壌を豊かにしていく。
 ブドウ畑は外部からの補給を必要としない、均衡の取れた生息環境である。そのため、堆肥などの施肥は行わない。そうしたものは有機的な循環プロセスに干渉してしまうからである。私たちはむしろ、非常に異なる環境条件にも適応できる、土壌本来の生理的な力を尊重している。

 

ピーラの畑にある鳥の巣 ― カスティリオーネ・ファレット

※視聴は以下のリンクから
https://youtu.be/xzmo6ibKaLw

 


 

Agricoltura rigenerativa
再生型農業

革命は土から始まる

 私たちの健康、土壌の健康、そして地球の健康は互いにつながっている。健全な土壌は、安定した気候と、すべての人にとってより健やかな生活条件への第一歩である。視線を足元に落とし、土地との関係や農業そのものの概念を見直すことが、気候変動という現代の緊急課題に応える鍵である。自然との協働関係を再構築することは、進行中の深刻な侵食や砂漠化を食い止める第一歩でもある。

その要となるのが炭素である。炭素は地球上の生命にとって極めて重要な元素だ

 光合成を考えてみよう。一般的な説明では、植物が二酸化炭素から酸素を生み出す能力に焦点が当てられる。しかし見落とされがちな重要な点がある。植物は炭素の約40%を根に蓄え、それをゆっくりと土壌中の微生物に供給する。微生物はその代わりに無機栄養素を植物に返す。こうした炭素の「貯蔵庫」が土壌に存在することは、土壌そのもの、そしてそこに生きる動植物の活力と密接に結びついている。
 従来型農業の拡大は、現在目にしている土壌の劣化と貧困化の大きな原因である。
農薬や、土壌に強いストレスを与える機械の大量使用は、炭素を吸収・保持するために不可欠な微生物を奪ってしまう。損なわれた土壌は二酸化炭素と水を放出し、それが大気に戻ることで砂漠化の土台が築かれる。
 これは微気候にも即座に影響を及ぼす。裸地化した土壌は温度調整能力が低く、これが地球規模で広がれば、私たちが今まさに目撃しているような大気規模の気候変化につながる。
 私たちは悪循環に陥っている。化学資材の使用は、慢性的なストレス状態にある土壌の劣化を覆い隠しているにすぎない。手がかけられすぎた土壌は、より頻繁な、強い手当を必要とし、外部投入(肥料など)に依存した短く弱い根は、深く土に潜れず、気候変動に対してますます脆弱になる。

質の高いブドウ栽培とは「貧しい」農業だ

 私たちは長年、土壌とは自立的にバランスを保つ生息環境であるべきだと確信してきた。つまり、外部からの介入をできる限り抑え、自然が自ら環境条件の違いに適応しながら営まれるよう委ねるということである。 大地は、それ自体の中に必要なものをすべて備えている。栽培家の役割は、この内在する潜在力を、自然のサイクルに干渉することなく守り続けることにあるのである。
 20年以上にわたり、私たちのブドウ畑では耕起や草刈りを行っていない。生きた植物に覆われた土壌は「呼吸する」土壌であり、その結果、地温をより安定させ、土中に炭素を「固定」し、自ら養分を循環させる力を持つのだ。
 この繊細な均衡を守るために、私たちが持ち得る最も強力な手段が再生型農業である。そのため以前から、ブドウ畑の多年草の草生を促し、生物多様性のための余地を確保してきた。こうして土壌の表面には天然のマルチが形成され、温度を調整し、水分の蒸発を抑えながら、炭素を土中に固定する。さらに、複数の植物種が共存することで、土壌は微量栄養素に富んだものとなり、それが私たちのワインに個性を与えるうえで欠かせない要素となる。それぞれの植物は、分解という最終段階の過程で、常に異なる形で土壌へと還元され、植物の生育条件に多様性をもたらす基盤をつくり出すのである。
 これは、私たちが実践できる数多くの再生的な取り組みの一つにすぎない。同様に重要なのが、機械的な攪乱を最小限に抑えること、肥料を排除すること、そして可能な限り混作や放牧を取り入れることである。 世界でも類を見ない景観の中で生きるブドウ栽培家として、またその土地の住人として、私たちはこの財産を守り、次の世代へと受け継いでいく責任を感じている。

 


 

Una cantina a impatto zero
環境負荷ゼロのワイナリー

環境への配慮と持続可能な発展は私たちが地球へと感じる責任の二つの側面だ

 ブドウ畑において「何もしない」という選択をし、自然と生物多様性に余地を与えているのと同じように、セラーにおけるすべての生産プロセスでも、生態系への影響を最小限に抑えたいと考えている。長年にわたる継続的な投資によって、私たちは電力消費と排出管理を見直し、大気に対して実質ゼロの影響を達成するまでに至った。
 私たちが使用する電力は、100%再生可能エネルギー由来である。自社の太陽光発電設備によって再生可能エネルギーを生み出し、それを醸造工程に活用している。ここ数年は、生産するエネルギー量が実際の使用量を上回っているのである。

ATTESTATO 認証書/証明書

DETTAGLIO PRODUZIONE E CONSUMI 生産および消費の詳細

 


 

Micorrize e simbiosi
菌根と共生

自然界では、多くの植物が菌根菌に共生されている。菌根菌は土壌に多大な恩恵をもたらし、結果として植物やその果実にも影響を与える

 菌根は、植物と菌類の共生関係を媒介し、緊密な協力関係によって双方に多くの利点をもたらす。根と周囲環境との共生は、植物のバランスと土壌の微生物的生命を大きく改善する。菌根は重要な栄養素の吸収を促進し、気候的・生物的ストレスに対する植物の耐性を高める。植物と菌の交換によってブドウの根系はより発達し、広い土壌空間へと伸び、水や貴重な養分を効率的に得られるようになる。
 また、菌根化した健全な根の構造は、菌類病害への耐性を高め、土壌構造そのものも改善し、水と空気を保持しやすくなることで水分ストレスからもブドウ樹を守る。生物多様性を尊重する栽培によって土壌の微生物的活力を守ることは、外部からの施肥や農薬に頼らず、自然の自己再生能力を尊重する低介入な農業にとって不可欠である。そのため、ブドウ栽培においても、菌根は気候サイクルの変化に対応する重要な資源であり、異なる環境条件に直面するブドウ樹を支えている。

 


 

Il lavoro in vigna
畑での仕事

剪定

 農家としての経験から、あらゆる栽培作業を自然のサイクルに適応させることの重要性を学んできた。剪定においては、画一的に樹を支配することを避け、すべての導管を活かした三次元的な成長を重視している。
 収穫時の品質だけでなく、樹そのものへの敬意と長寿を常に念頭に置いている。良い剪定とは、ブドウ樹の健全な老成を可能にする剪定である。

ブドウ樹の増やし方

 同一品種内の最大限の遺伝的多様性を維持するため、マッサル・セレクションによってブドウ樹を増やしている。通常は挿し木を用いるが、母樹の枝を地面に曲げて埋め、発根させるという手法も行うことがある。
 また畑に自然に生じる欠株を補い、抜根を最小限に抑えるため、枯死したブドウ樹はアメリカ系台木への“芽接ぎ法”で接ぎ木する。この方法では、木質化した部分ではなく、分裂を続ける細胞組織(Meristema)を用いることで、接ぎ木されたブドウ樹の寿命を最大限に引き出す。
 さらに近年では、最良のブドウの種を播いて新たな子世代を育て、親に似つつも独自の特性を持つ、より耐性の高い個体を選抜している。

 


 

CREDITS

www.roagna.com

Questo progetto di comunicazione digitale nasce dall’entusiasmante amicizia e collaborazione
fra Luca Roagna e Francesco Rava, con il supporto tecnologico di Blulab.

このデジタル・コミュニケーションのプロジェクトは、Luca Roagna と Francesco Rava との
素晴らしい友情とコラボレーション、そして Blulab による技術的サポートによって実現しました。

Design, sviluppo e copy

Blulab – Digital Company – Alba (CN)

Photo credits

Francesco Rava, Clay McLachlan, Helge Hansen & Jonas Boström (Montag).

Video credits

Helge Hansen e Jonas Boström (Montag)

 

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