Trinchero
トリンケーロ
造り手: |
Ezio Trinchero エツィオ・トリンケーロ |
国・地域: |
Agliano Terme イタリア / ピエモンテ / アスティ / アリアーノ・テルメ |
主要な使用品種: |
マルヴァジーア(Malvasia) フレイザ(Freisa) ネッビオーロ(Nebbiolo) バルベーラ (Barbera) |
ホームページ: | https://www.instagram.com/trinchero_antica_azienda_/ |
ワイナリー詳細: | ダウンロード(PDF) |
取扱いワイン詳細: | ダウンロード(PDF) |
トリンケーロについて
◆概要
現当主エツィオは、かつて約50ha所有していた畑を「自ら畑の世話ができる規模にするため」13 haに縮小した勇気と決断力のある情熱家。トリンケーロの代名詞でもあるバルベーラはそもそも酸が高い品種であり、エツィオのように果実の完熟を待ち、しっかりと抽出もすると、20年以上も深みと気品ある表現力を増し続ける。特に1925年植樹のバルベーラから生まれる「ヴィーニャ・デル・ノーチェ」は偉大な伝統派のバローロにも似て、「辛抱強く待てば必ず応えてくれる」ワインである。バルベーラ以外にもネッビオーロやフレイザなどのピエモンテの地品種を数多く植えているが、出来上がるワインはいずれもトリンケーロのワインらしい大柄な骨格を備えている。 1982年から、若くしてワイナリーの運営から造りにまでかかわってきたが、90年代の終わりに転機が訪れれ、グラヴナーをはじめとする、フリウリの偉大な造り手たちのマセレーションの白ワインを飲み、大きく影響を受けた。それまでのワイン醸造を考え直し、特に白品種の醸造において、マセレーションでの醸造を始める。 持ち味の酸と酒質の強さを優美に柔らげるためには、樽や瓶での長期の熟成が不可欠ではあるが、時間をかけて瓶詰めされるワインには確固たる個性が備わっている。
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◆2023年02月聞き取り
Tajo2021を試飲。品種構成は前回同様ネッビオーロ、フレイザ半分ずつだけれど、フレイザは全くマセレーションをせずダイレクトプレスの果汁にネッビオーロの果皮を除梗して漬け込んだ。ほぼ全量ラシーヌが購入したが、少しの余剰分を日本以外販売用に、エチケットを変えて販売している。ディーヴ・ブテイユ(試飲会)でも紹介していた。
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◆2022年11月聞き取り
・ワインのバランスについて
ワインの酸には多くの種類があり、ワイン全体のバランスを考えるうえで、どれか一つの酸を取り上げてワインの品質を評価することは、不毛な議論を呼ぶことになる。特に揮発酸はやり玉に挙げられるが、ワインのバランスをとる上で、非常に重要な要素。特に果実味の強い年は、高い揮発酸が不可欠と考える。
マセレーションをした白ワインにおけるタンニンについても、抗酸化物質であるからマセレーションをしている分、亜硫酸の添加量を減らせるということもあるが、タンニンがある種の“塩気”のように作用し、ワイン全体に引き締まりを与えるということも重要なポイント。
・収穫のタイミングについて
新梢が出てこなくなり、一番上の葉の色が鮮やかな緑色から深い緑色になってきたら、ブドウの樹の一年のサイクルの終わりの合図。その他にもブドウに触った時の感触、ブドウの実の茎とのつながりの部分が赤茶色になってきているかどうか。さらにそのつながり目部分が乾いてくると完熟の合図だ。さらに待つとバルベーラの場合は、ブドウの皮が割れ始めるので急いで収穫しなければならない。ネッビオーロとフレイザは果皮が厚いので、ブドウの果皮が割れる心配はない。収穫のタイミングを決めるうえで、タネの成熟はもちろん大事だが、判断要素はそれだけではない。
アスティについて
アスティ県は、バルバレスコの北東に位置する。その最重要DOCGワインは、バルベーラ・ダスティとモスカート・ダスティ(およびアスティ・スプマンテ)である。この地のバルベーラは、今ではピエモンテの2番目の最も輝かしい赤ブドウとして、また最も現代風なブドウとして論議の的となっている。総じて酸が高いイタリア赤ワイン品種の中でも、バルベーラ種は抜きんでて酸が高いという特徴があるが、一般的にはバルベーラ・ダスティとバルベーラ・ダルバ(ランゲ地区産)の味わいの差は、果実味豊かでパワフルなバルベーラ・ダルバに対し、バルベーラ・ダスティは酸が際立ちエレガントと言われる。白ブドウのモスカートからは、微発泡性で甘口の、マスカットブドウの最も祝福された典型と言える優れたモスカート・ダスティが生まれる。このワインには、他のどのワインよりもアルコールが少ない(5%前後 )個性を持つ。大半のモスカート・ダスティはシャルマー方式で生まれる。
ピエモンテについて
イタリア北西部、アルプス山脈の南麓で、フランスと国境を接する州。面積はシチリアに続いてイタリア第2位。ワイン生産量は7位だが、その品質、多様性、独創性についてイタリアの首座にあると自負する州。DOCGは16、DOCは42にも達する。その心臓部は、州南部のバローロとバルバレスコ以外にも多くの地域で多彩なワインを生む。その筆頭は北部で繊細なネッビオーロを生むガッティナーラとゲンメの両DOCG。南東部アスティ地方では広く知られるバルベーラ、モスカート・ビアンコのスパークリング以外にも、ドルチェットやグリニョリーノも重要品種。南部のガーヴィ/コルテーゼ・ディ・ガーヴィDOCGの優美な白も、近年は本来の輝きを取り戻している。白では、バローロの北隣、ロエーロ地区のロエーロ・アルネイスも安定した人気を確立した。さらに近年では、アスティ県周辺の高標高地区、アルタ・ランガDOCGでの瓶内二次発酵ワインの生産も活況を呈し始めている。