Hoch Essences
ホッホ エッセンセス (旧ホッホドイチュ)
造り手: |
Julie-Ann Hansjosten ジュリー=アン・ハンスヨーステン |
国・地域: |
Hollenburg オーストリア / クレムスタール / ホレンブルク |
主要な使用品種: |
グリューナー・ヴェルトリーナー(Grüner Veltliner) シルヴァネール(Sylvaner) |
ホームページ: | https://www.purejoybotanicals.farm/ |
ワイナリー詳細: | ダウンロード(PDF) |
取扱いワイン詳細: | ダウンロード(PDF) |
ホッホ エッセンセス (旧ホッホドイチュ)について
ドイツ出身のジュリーは、ホレンブルクで代々ワインを造るホッホ家に嫁いできた。夫のクリストフ・ホッホも2013 年から、家業を引き継ぎ、ナチュラルワインを造っている。ボタニカル・スパークリングとは、簡単に言えば、ハーブティーをブドウ果汁で瓶内発酵させたもの。濃く抽出したハーブティーを、彼女達のブドウ果汁と、大体Alc.5%になるようにブレンドし、瓶内で発酵を終える。もともとハーブティーやエッセンシャルオイルに興味を持っていたジュリーは、ワイナリーで働く傍ら、自然とブドウ畑や周囲に育つ草花を、ブドウ栽培のためのトリートメントとして、また、日常でも利用してきた。例えば、ローズマリーの香りは集中力を高めるため、彼女の車にはローズマリーのサシェ(匂い袋)がつるされている、といった具合だ。ドナウ川流域は汚染のされていない井戸水が、多くあることでも有名だそうで、ホレンブルクの村人も、何をするのもこの井戸水を使っている。彼女がお気に入りのハーブティーでスパークリングを造るというアイデアが湧きあがることは、自然なことだった。試行錯誤を重ね2017 年にネトル(イラクサ)での試作品をボトル詰めした。2022VTからホッホ・エッセンセスに改名。
クレムスタールについて
ヴァッハウの東に隣接したドナウ川沿いのワイン生産地域。クレムスタールは中世からワイン商業の中心地として栄え、その周辺には40を超える修道院所有のブドウ畑があった。生産地域は大きく三つに区分することが出来る。北西から南東へと流れるドナウ川の支流クレムス川周辺の西部地域は、北部の森林からの冷気とドナウからの暖気による寒暖差がアロマの蓄積を助け、原成岩土壌によりヴァッハウに近いスタイルのワインを産する。東部地域はパンノニア平原からの暖気が、原成岩の上に厚さ25m前後に堆積したレス土の段丘にぶつかり、ヴォリューム感があり輪郭の柔らかいワインを産する。一方ドナウ川の対岸にある南部では、ゲットヴァイク大修道院が約1000年前から見下ろす丘に広がるブドウ畑の土壌に礫岩とレス土が混じり、パンノニア平原からの暖気とドナウ川の湿気が穏やかで暖かい気候条件を形成している。栽培品種の55%(2015年)をグリューナー・ヴェルトリーナーが占め、次いでリースリングが10.5%、ミュラー・トゥルガウが5.3%と続く。
オーストリアについて
オーストリアのワイン生産地域は国土の東側周縁部に分布し、緯度はブルゴーニュのコート・ドールからアルザスのオー・ランに相当する。ワイン生産地域は大きく三つに分けることが出来る。①北部のアルプスの森林に囲まれドナウ川が横断するニーダーエスタライヒ。②パンノニア平原に接して大陸性気候の影響を強く受けるブルゲンラント。③スロヴェニアの山地と同様に起伏に富んだ地形で、地中海からの暖気とアルプスの冷気がぶつかるシュタイヤーマルク。いずれも暖気と寒気がぶつかりやすい立地条件のため、近年は遅霜や雹で深刻な被害を受けることが増えている。この国は歴史的にはハプスブルク家が君臨したオーストリア・ハンガリー帝国の中心地であったことがワインとそれをとりまく文化を育んできた。1985年にノイジードラーゼーの生産者による不凍液混入事件で甘口ワイン市場が壊滅するという逆境が、かえってオーストリアを、伝統に縛られずに高品質を目指す好奇心旺盛で個性的なワイン生産国へと変えた。ビオロジックで栽培されるブドウ畑も約12%とヨーロッパで最も普及し、生産量は世界の1%にも満たないが、ビオディナミや亜硫酸無添加醸造、オレンジワインなどに積極的に取り組む生産者も少なくない。