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Boccadigabbia
 ボッカディガッビア 

ワイナリー名 Boccadigabbia
ボッカディガッビア
創業年 1970年
         
国・地域 イタリア ・ マルケ
地区/村 フォンテスピーナ
代表者 Elvidio Alessandri
エルヴィディオ・アレッサンドリ
畑面積 25 ha
主要品種 モンテプルチアーノ(Montepulciano)
サンジョヴェーゼ (Sangiovese)
シャルドネ (Chardonnay)
平均生産量 100,000本/年
生産者プロファイル

【ドメーヌについて】
 どこからどう見ても極小のワイナリー、ボッカディガッビアは、様々な意味でマルケ州でもっとも興味深いワイナリーのひとつである。
 1950年までワイナリーを所有していたのは、かのナポレオン直系の子孫、ルイージ・ジローラモ・ナポレオン・ボナパルト公だった。実際19世紀初頭から、ナポレオン家による経営のもと、ボッカディガッビアにはフランス品種が植えられていたのである。土地の人々が「ボルドー」、「フランチェージ」などと呼んでいた諸品種がそれだ。こうした遺産は、不幸にも競売にかけられ終焉するに至った皇帝領崩壊の際に、完全に失われてしまった。
 こんなわけで、現在のオウナー、エルヴィディオ・アレッサンドリが、ピノ・ブラン、シャルドネ、ピノ・グリ、カベルネ・ソーヴィニョンを、伝統的なサンジョヴェーゼとトレッビアーノと一緒に植えたのも、まったく道理にかなったことだ。クオリティの面だけでなく、歴史的にみても意味のある選択なのだ。
 ボッカディガッビアが造るワインは、以下の通り。卓越した複雑さを持つカベルネ・ソーヴィニョンのアクロンを約800ケース、柔らかくフレッシュで早飲み型のロッソ・ピチェーノ DOCを5000ケース、ピノ・グリ、ピノ・ブラン、そしてピノ・ノワールをブレンドした、深みのある独特の味わいのラ・カステッレッタ350ケース、そしてイタリアでもベストに数えられる樽発酵のシャルドネ、モンタルペルティを250ケース。そして最後に、ガルビと呼ばれる、シャルドネとトレッビアーノをブレンドした素晴らしく新鮮なワイン。
 エルヴィディオの手になるボッカディガッビアの再生は、ごく最近の出来事であるが、とても情熱的な取り組みである。ただクオリティのみを追求した証ともいえる、ブドウ畑とセラーでの彼の業績を、賞賛しないわけにはいかない。畑とセラー、そしてすべてのワインのなかに味わうことのできる卓越性と興奮に関しては、オウナーと献身的なワインメーカー、ファブリツィオ・チュッフォリに敬意を表すべきだろう。

出会い:
ボッカディガッビアは、前社ル・テロワールでご紹介させていただきました。どのワインをとってみても、表面的でないしっかりとした味わいに満ちていました。たとえば、大変バランスがよく、飲み心地のよい[ロッソ・ピチェーノ]は、イタリア・レストランでの食事の友としてとても親しまれていました。[サルタピッキオ]や[アクロンテ]もイタリアらしい個性があり、最近も[サルタピッキオ]の古いヴィンテッジをレストランで見つけ、懐かしさのあまり頼んでみました。大変美しく熟成した落ち着いた味わいに感激し、あらためて確かな腕前を確認しました。「ラシーヌでは、扱わないのですか」と、いろいろな方からお問い合わせいただいておりましたが、気になりながらも日がたってしまいました。
2008年の2月、オウナーで旧知の間柄であるエルヴィディオ・アレッサンドリから、FOODEXに出展する旨の連絡がありました。自分の目で日本のマーケットを見、自分のワインが日本でどのように評価されているかを確かめたかったから参加した、とのことでした。あいにく出張ですれ違いになってしまい、エルヴィディオに会ったのは最終日でした。「一番驚いたのは、ブースの間をまわっている人たちのほとんどが、『あっ、ボッカディガッビアだ』と立ちどまり、懐かしそうにテイスティングをしてくださったこと。かつて扱っていて何年のどのワインが好きだったなど、暖かくて確かなコメントをもらい、とても嬉しかった。短い滞在だったけれど、毎日とても愉快だった」と、エルヴィディオ。初来日を楽しんでいた様子で、その夜は六本木の焼き鳥バーで歓談に明け暮れました。
ワイナリーは小規模で、イタリアはむろんのことヨーロッパとアメリカで、すでに十分なマーケットに恵まれていました。なのに、わざわざ日本を訪れて何かを感じ取ろうとする生来の好奇心と、誠実で気取らない人柄に、あらためて心を動かされました。ボローニャ大学で経済学を修めたエルヴィディオは、目の動きと輝きからして、敏活な知性とユーモアの持ち主であることがうかがえます。はたして、彼のワインには派手な押しつけがましさや修飾が皆無で、軽やかさと落ち着いた雰囲気がともに伝わってきます。成熟に向かいつつある日本のワイン市場に、このようなタイプの「大人のワイン」があって欲しい――と痛感しましたので、量はともかくとしてラシーヌでご紹介させていただこうと申し出ました。エルヴィディオもまた、照れながら嬉しそうな風情を隠さず、再縁を喜びあった次第です。(合田泰子)

【畑について】
土壌:粘土質、砂質

【醸造について】
醗酵:スティールタンク
マセレーション:温度管理されたスティールタンクで長期間のマセラシオン
熟成: 赤:部分的にフレンチオーク(新樽および2年目)で10ヶ月~16ヶ月間熟成させる。
瓶詰め後、少なくとも6ヶ月間落ち着かせる。

   
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