António Madeira
アントニオ・マデイラ
造り手: |
António Madeira アントニオ・マデイラ |
国・地域: |
Dão ポルトガル / ダォン |
主要な使用品種: |
バガ(Baga) アリント(Arinto) フェルナォン・ピレシュ(Fernão Pires) ジャエン(Jaen) |
ホームページ: | https://www.instagram.com/dao.antonio.madeira/ |
ワイナリー詳細: | ダウンロード(PDF) |
取扱いワイン詳細: | ダウンロード(PDF) |
アントニオ・マデイラについて
アントニオ・マデイラは、フランスに移民した両親のもとパリで生まれ育つ。幼少期から両親の故郷ダォン地方への帰省を重ね、2000年代初頭のパリでのヴァン・ナチュールの隆盛も経験しながら、次第にワイン造りへの情熱を深めていった。エンジニアとして働く傍ら、ある時に出会ったダォン地方の古い白ワインに感銘を受け、その思いはいっそう強まる。花崗岩質の土壌、高地の冷涼な気候、そして古木の存在に確信を得て、2010年に荒廃した樹齢50年の畑を引き取りワイン造りを始めた。現在は6村23区画、総計8haを管理し、樹齢は50〜120年に及ぶ。赤白混植というポルトガルの伝統を守りつつ、フランスで出会った多様な生産者たち—グラン・ヴァンからヴァン・ナチュールまで—から学んだ手法を取り入れる。また土壌に空気を送り込み、微生物の活性を促す耕作はワイン造りの基盤ともいえる重要な作業だとアントニオは考える。ブドウは畑ごとに醸造され(混植混醸)、単一区画キュヴェとしてリリース。中には自らグラン・クリュ級と見定めた畑もあり、そのワインには長期熟成を施し、ダォンという銘醸地のエレガンスを現代に再び響かせようとしている。
ポルトガルについて
ポルトガルは大西洋、山脈や河川により地理的に隣国スペインから隔てられ、1986年にEUに加盟するまでは政治的にも孤立していた。そのため長い間イギリス向きに出荷されてきた、ポートワインやマデイラ酒を除くと、ポルトガルワインへの関心は市場でも高いとは言えなかった。しかしそれゆえ隠れたブドウ栽培地域や地品種の古樹が数多く残り、それらの要素への関心が世界的に高まる中で、2010年代頃からダイナミックな変化が起こっている。 ポルトガルが広くない国土にもかかわらず、多様な地形と土壌、ワイン文化を持つことは、ポートワインとヴィーニョ・ヴェルデという性質が相反するまったく別種のワインが、しかも隣接する地域から生産されることからも、良くわかる。それらの下地と、海外などで経験を積んだ若い造り手たちの熱意が、現在のポルトガルワインの原動力となっていると言えるだろう。 とかく情報過多に陥りがちな現在、ポルトガルには魚介類を使った素朴な料理が多く、その料理と合わせて飲まれてきたポルトガルワインは、一般に気取った味わいを感じさせないので、難しく考えずに飲んでいただきたい。