Esencia Rural
エセンシア・ルラル
造り手: |
Julian Ruiz フリアン・ルイス |
国・地域: |
Quero スペイン / カスティーリャ・ラ・マンチャ / ケロ |
主要な使用品種: |
アイレン(Airen) ガルナッチャ(Garnacha) テンプラニーリョ(Tempranillo) |
ホームページ: | http://www.esenciarural.es/ |
ワイナリー詳細: | ダウンロード(PDF) |
取扱いワイン詳細: | ダウンロード(PDF) |
エセンシア・ルラルについて
マドリードの南、ケロ村にワイナリーを持つ。地元消費用にワインを造っていたが、2002年にマーケットにおいて独自性を打ち出すため、エセンシア・ルラルという会社を設立した。厳しく乾燥する気候のラ・マンチャだが、灌漑をしないため、40ha以上の畑を持ちながら、生産量は100,000本に届かない。エセンシア・ルラルで使うブドウは、樹齢100年を超すアイレンとテンプラニーリョも多く、ゴブレに仕立てられた平地の畑が地平線まで続く。その畑の中に、かつての大量生産時代の遺跡ともいえる巨大な円筒状のコンクリートタンクを備えた協同組合のワイナリーがあり、ワイン産業の盛衰を感じる光景だ。栽培・醸造家のフリアン・ルイスは、醸造を開始当初は、マーケットの要望に合わせ、醸造技術で管理されたワイン造りをしていたが、会社の設立と合わせ、自分の感性の向くままにワイン造りを始めた。通常大量生産に向くとされるアイレンの古樹は、とても凝縮したブドウを少量実らせ、超長期のマセレーションをかけることで、独特の濃厚な味わいを持つ。推し量れない要素も確かにあるが、フリアンのワインはラ・マンチャの自然とワイン文化への最大の賛辞なのだ。
カスティーリャ・ラ・マンチャについて
中央大地(メセタ)の南半分を占める、カスティーリャ・イ・レオン州に次ぐ広さで、標高も高く、冬も夏も厳しい気候。春には緑で覆われるが、夏の間は雨が降らず、景色は茶色にそまり、干上がらない河は無いとも言われる。そのような環境にもかかわらず、ラ・マンチャのワインの生産量は、スペインワインの半分を占めている。標高は高いが台地であるので、どこまでも続く平野にブドウ樹は植わっており、また、ところどころ、古い協同組合の巨大なワイナリー跡が点在する。技術の発展と共に、ヘクタールあたりの生産量は増えており、2000年以降、灌漑による栽培をする造り手が増えた。ワイン用品種としては、世界一の作付面積を誇るアイレン種は、ラ・マンチャの厳しい環境にも良く耐え、高貴品種とはみなされないが、驚くほど古い樹齢のものが、いまだに植え替えられることなく多く残っている。その他にもガルナッチャ、モナストレル、テンプラニーリョ、シラー、ボバルなどの品種が広く栽培されており、初期投資の少なさから、大企業型ワイナリーの関心の的となっている。
スペインについて
世界一位のブドウ栽培面積をほこる、スペインのワイン産業は、大規模に海外へと輸出することで、成り立ってきた。19世紀初頭までは、南アメリカの植民地へ、19世紀後半からは、鉄道の発達とともに、地続きのフランスへ大量のワインが輸出された。1960年代から近代醸造技術の導入が活発になり、シェリーブームがおとずれ、リオハワイン人気も再燃した。21世紀になりスター生産者の登場により、高品質なワインの存在も認知されているはずだが、日本ではスペインワインというと、まだまだ安ワインのイメージが拭えない。イベリア半島は、中央台地(メセタ)が国土の大半を占めており、沿岸部から数十kmも内陸部へ入ると、標高が600〜1000mの高さまでになる。中部から南部にかけては乾燥した気候も幸いして、病害も出にくく、ブドウ栽培のまさに好適地である。 近年では、カタルーニャ地方の動きが目立つが、北部の降雨量の多い地域や島々を含めたスペイン各地で、新世代の造り手たちの手により、地品種と伝統的な製法でのファインワインが、同時多発的に生まれている。