Arribas Wine Company
アリバシュ・ワイン・カンパニー
造り手: |
Frederico Machado & Ricardo Alves フレデリコ・マシャド&リカルド・アルヴェシュ |
国・地域: |
Bemposta ポルトガル / トラズ・ウズ・モンティシュ / ベンポシュタ |
主要な使用品種: |
マルヴァジーア(Malvasia) ルフェテ(Rufete) ティンタ・ゴルダ(Tinta Gorda) バシュタルド・ブランコ(Bastardo Branco) |
ホームページ: | https://arribaswine.com/ |
ワイナリー詳細: | ダウンロード(PDF) |
取扱いワイン詳細: | ダウンロード(PDF) |
アリバシュ・ワイン・カンパニーについて
ポルトガル北東部、スペイン国境に近いベンポシュタ村に、フレデリコとリカルドの二人組が設立。両人とも旧世界、新世界を問わず多くの地域でワイン醸造を経験するのと同時進行で、情熱を注ぎこむ地を探していた。リカルドはトラズ・ウズ・モンティシュの出身で、そしてフレデリコの祖父母も同地域のベンポシュタ村の出身で、2人にとってゆかりの地ではあるのだが、村周辺に広がる畑の写真を見た瞬間に、そのファインワイン生産をする上でのポテンシャルを2人は見抜いていた。
2017年初醸造のワインは「サロト」と名付けた。それは「しっぽを切り落とされた動物を意味する現地での呼び名」であるが、トカゲは再生能力の象徴でもあり、そのポテンシャルを認識されぬまま、消え去りそうなベンポシュタのワイン文化を復興させるのだという意志が込められている。現在所有している2haの畑は全て赤品種と白品種が混植されており、赤ワインにも30%ほど白品種が混醸される。
トラズ・ウズ・モンティシュについて
「山の後ろ側」を意味するトラズ・ウズ・モンティシュ地域は、ポルトガル最北東の地域だ。西隣の、海岸線を有するヴィーニョ・ヴェルデとは異なり、全域が山岳地帯であり北部と東部でスペインと接している。ブドウ畑の多くは標高500m~700mに分布し土壌は主に花崗岩土壌に片岩の土壌が点々と存在し、大陸性気候のスペインと同様、「九ヶ月の冬、三ヶ月の地獄」と呼ばれるほど寒さの厳しい地域。夏でも夜間の温度が顕著に下がるため、出来上がるワインのアルコールは総じて低い。 地球温暖化以前はもっと寒さの厳しい地域だったことだろう。土地も痩せているので収量が低く、高地の山がちな土地でアクセスも悪いため、決して優良産地としてみなされてきたわけではないが、ブドウは歴史的にも確かに栽培されており、耕作放棄された高樹齢のブドウ樹が、単一品種の畑ではなく、混植されていた頃のまま残っている。品種は主に、ティンタ・ゴルダ、バシュタルド、セラーナ、ヴェルデーリョ・ヴェルメーリョなどの赤品種。ヴェルデーリョ、マルヴァジア、ポシュト・ブランコ、バシュタルド・ブランコなどの白品種が栽培されている。
ポルトガルについて
ポルトガルは大西洋、山脈や河川により地理的に隣国スペインから隔てられ、1986年にEUに加盟するまでは政治的にも孤立していた。そのため長い間イギリス向きに出荷されてきた、ポートワインやマデイラ酒を除くと、ポルトガルワインへの関心は市場でも高いとは言えなかった。しかしそれゆえ隠れたブドウ栽培地域や地品種の古樹が数多く残り、それらの要素への関心が世界的に高まる中で、2010年代頃からダイナミックな変化が起こっている。 ポルトガルが広くない国土にもかかわらず、多様な地形と土壌、ワイン文化を持つことは、ポートワインとヴィーニョ・ヴェルデという性質が相反するまったく別種のワインが、しかも隣接する地域から生産されることからも、良くわかる。それらの下地と、海外などで経験を積んだ若い造り手たちの熱意が、現在のポルトガルワインの原動力となっていると言えるだろう。 とかく情報過多に陥りがちな現在、ポルトガルには魚介類を使った素朴な料理が多く、その料理と合わせて飲まれてきたポルトガルワインは、一般に気取った味わいを感じさせないので、難しく考えずに飲んでいただきたい。