Nikoloz Antadze
ニコロズ・アンターゼ
造り手: |
Nikoloz Antadze ニコロズ・アンターゼ |
国・地域: |
Manavi ジョージア / カヘティ / マナヴィ |
主要な使用品種: |
ルカツィテリ(Rkatsiteli) ムツヴァネ(Mtsvane) サペラヴィ(Saperavi) |
ホームページ: | なし |
ワイナリー詳細: | ダウンロード(PDF) |
取扱いワイン詳細: | ダウンロード(PDF) |
ニコロズ・アンターゼについて
アンターゼ一家は17世紀からカヘティ地方のマナヴィ村とトフリアウリ村に畑を所有していたが、ジョージアがソヴィエトの政権下に落ちた際に国に没収されてしまった。2006年、ニコロズはマナヴィ村にブドウ畑を購入し、バイオロジック栽培で畑を管理し、クヴェヴリでのワイン造りを始める。栽培品種は、ジョージアの土着品種であるムツヴァネ・カフリとルカツィテリ。マナヴィ村の畑は、ジョージアが君主制をひいていた19世紀までの間、このエリアで出来たブドウで王室に献上するワインが造られていたことから、「ロイヤル・クリュ」とも呼ばれていた。その年の気候条件が反映するワイン造りを目指し、手入れをする前にブドウの樹を観察して極力介入せずに済むよう心がけている。2013年に建造された土と藁のマラニで醸造を行い、常に新しい試みをもって行うため、ヴィンテッジによって味わいが異なる部分もある。例えばサペラヴィではタンニンが強くなりすぎないように、サペラヴィの梗を使わずによりタンニンの穏やかなルカツィテリの梗を投入したり、白ブドウのマセレーションを試行錯誤している。これらの努力が、品種とテロワールの可能性を引き出した味わいになると信じる芸術家肌の造り手である。
カヘティについて
ジョージア全体で約7万ha(2005年)あるブドウ畑の約70%は、東部のカヘティ地方に集中している。首都トビリシの東から始まり、北は大コーカサス山脈、南をアゼルバイジャンとの国境に囲まれており、冬は山脈からの寒気が吹き下ろし、夏は砂漠から暑く乾燥した空気が張り出し、時々大雨や洪水・雹に見舞われる。主な地場品種は白はタンニンが豊富で男性的なルカツィテリ、繊細で女性的なムツヴァネ、赤は色が濃くタンニンの豊富なサペラヴィ。かつての国営農場だったり国外からの投資で設立されたりした大規模な醸造所は、地場品種の他にカベルネやシャルドネなどの国際品種を、現代的なステンレスタンクやバリック樽で醸造している。伝統的なカヘティ式醸造では、白・赤ともに果皮・果肉を全部クヴェヴリに入れて、約6ヵ月間醸し発酵して沈殿物とともに熟成するのでタンニンが豊富なことが多いが、近年は果梗の量を調整するなどしてバランスのとれたものも増えてきている。
ジョージアについて
ジョージアは黒海とコーカサス山脈に囲まれた世界最古の伝統的ワイン生産国である。面積は北海道の約83%にすぎないが、400種類以上におよぶ地場品種の宝庫であり、約8000年前からワイン造りが行われて来た。ヨーロッパとアジアの接点に位置し、幾たびも異民族の侵略にさらされてきたが、4世紀にキリスト教国となって以来、ワインは信仰とともに人々の生活に根付き、途切れることなく醸造されている。ソヴィエト連邦の支配下でも、人々は太古と同じやり方で庭の一角に埋めた甕(クヴェヴリ)で自家消費用のワインを作り続けた。1991年の独立後、最大の輸出先であったロシアが2006年にジョージア産ワインの輸入を禁止したことがきっかけとなって、伝統的醸造手法の持つ意味と価値が見直され、2013年にクヴェヴリによるワイン醸造がユネスコ世界無形文化遺産に登録された。クヴェヴリで醸造されたワインは大半が自家消費用のため市場に出回る量は少ないが、工業的な醸造の対極にある自然な手法として世界的に注目を集めている。