Gelveri (Udo Hirsch)
ゲルヴェリ (ウド・ヒルシュ)
造り手: |
Udo Hirsch ウド・ヒルシュ |
国・地域: |
Güzelyurt トルコ / カッパドキア / ギュゼルユルト |
主要な使用品種: |
ケテン・ゲムレク(Keten Gomlek) エキュツゲツュ(Okuzgozu) ボガツケレ(Bogazkere) |
ホームページ: | なし |
ワイナリー詳細: | 準備中 |
取扱いワイン詳細: | ダウンロード(PDF) |
ゲルヴェリ (ウド・ヒルシュ)について
オーナー醸造家ウド・ヒルシュはドイツのワイン生産地域アール出身の74歳。1969年に写真家としてこの地を訪れて人々の親切にふれて以来、この地の文化を愛し続けている。フリーランスのジャーナリスト兼コンサルタントとして35年間、世界各地でWWF世界自然保護基金のプロジェクトを運営して来た。父方の祖父母はワインを造っていた。1990年に独立したばかりのジョージアで地域産業振興を担うNPO法人を立ち上げた際に、クヴェヴリによる醸造を学んだ。1997年にギュゼルユルトの町に築約250年の家を購入し、2008年に政府の認可が降りて醸造所を開設。それまで2001年から地元の友人達と自家醸造を楽しんでいたが、やがて伝統的な甕さえあれば誰でも出来るワイン造りを広めて観光客に販売すればワイン造りの伝統が蘇り、地域産業の振興になると考えるようになった。ウドが使うのは約150~1600年前に製造されたアンティークのキュプのみ。発掘されたキュプを洗浄して、たき火で注意深く内面を殺菌して蜜蝋を塗り、地下室に立てて置いたり半分だけ埋めたりしている。約2~6haの果樹園に桃や梨とともにケテン・ゲムレク、エキュツゲツュ、ボガツケレなど約6種類の地場品種が栽培されていて、中には樹齢300年を超える古木もある。地元の農民と契約栽培していて、彼らには高品質なブドウを収穫するための技術指導も行っている。白ブドウも黒ブドウモ破砕してキュプに入れ、2~4週間で発酵が終わると圧搾し、必要に応じてタンニンを補うために屋外で干した果梗を加えてガラス板で密閉し、さらに約8ヵ月前後熟成する。亜硫酸は基本的に添加しない。1997年にはフリウリのヨスコ・グラヴネルにジョージアからクヴェヴリを調達しており、ある意味では現在のナチュラルワインムーヴメントのキーパーソンの一人。
カッパドキアについて
中部アナトリア地方西部に位置し、カルスト台地に掘り抜かれた広大な地下都市やキノコの様な形をした奇岩で知られ、約5000年前の地下遺跡からワイン醸造に利用されていたとみられる岩を掘り抜いた酒槽がいくつも見つかっている。また、キリスト教信仰の中心地で、3000を超える教会の遺跡もみつかっている。東にエルジェス山、西にハサン山という3000m級の山に挟まれ、それらが約6000万年前に長期間噴火し、溶岩と火山灰が石灰岩の上に堆積した。標高は約1500m。内陸性気候で夏は暑く乾燥してほとんど雨は降らず、ぶどう畑の表土は砂地で乾いているように見えるが、地下50cmから下は年間を通してしっとりと湿っているほど土壌の保水性は良い。冬は一面雪に覆われ氷点下20℃を超える寒さとなることもある。白ワイン用品種はエミール、ナリンス、ハサンデデ、赤ワイン用品種はカレチッチ・カラス、パパズカラス、ディムリット、ボガツケレ、エキュツゲツュなど。フィロキセラの被害がなく、農業が集約化されていないので自根の古木が多い。UNESCO世界遺産にも指定され、世界中から大勢の観光客が押し寄せている。
トルコについて
OIVの統計ではトルコの葡萄栽培面積は世界第五位(2015年)だが、収穫の大半は生食用か干しブドウなどに加工され、約2%がワインに醸造される。国民の99%がイスラム教信者(大半がスンニー派)のため、ほとんどの一般庶民はレストランなど公の場ではワインを飲まないが、アレウィー派のように飲酒を禁じていない宗派もあり、その信者は約1~2割とみられる。ワイン造りの伝統は古く、一説には紀元前5000年頃から醸造されていたと言われる。ノアの洪水で箱船がたどり着き、ノアがぶどう農夫となったアララト山のふもとはトルコ領内のアナトリア地方東部だったという説もある。ビザンツ帝国時代は良質なワインの産地として知られ、ワイン商業が栄えたが、1453年にオスマントルコに征服されてイスラム化すると基本的には禁酒政策がとられたものの、領内の異教徒には納税と引き替えにワイン生産が許容された。現在も税収や外貨収入を目的として国営の大規模醸造所があり、1990年代以降はフランスのシャトーを模倣した個人経営の小規模醸造所も増えてきたが、2014年にイスラム主義を推進するエルドアンが大統領になってから酒税引き上げが繰り返され、ワイン生産者は抑圧されている。最大のワイン生産地域はギリシア国境に近いトラキア地方で、次いで南西部のエーゲ海沿岸地方。この二地方に約60%の葡萄栽培面積が集中している。その他は黒海沿岸とカッパドキアを含む中央部のアナトリア地方の各地に分散している。地場品種も多く600~1200種類にのぼるが、現在栽培されているのは約60種類である。