Il Macchione
イル・マッキオーネ
造り手: |
Leonardo & Simone Abram レオナルド & シモーネ・アブラム |
国・地域: |
Caggiole イタリア / トスカーナ / モンテプルチアーノ / カッジョーレ |
主要な使用品種: |
プルニョーロ・ジェンティーレ (Prugnolo Gentile) |
ホームページ: | http://www.podereilmacchione.it/ |
ワイナリー詳細: | ダウンロード(PDF) |
取扱いワイン詳細: | ダウンロード(PDF) |
イル・マッキオーネについて
畑を少し歩くだけで、アンモナイトなどの化石が多数に見つかる、穏やかなモンテプルチアーノの丘陵地帯のカッジョーレ地区に約4.5haの畑を所有する。そのうち2haは樹齢50~75年の古木である。アルト・アディジェ生まれのアブラム兄弟がこの土地でワイン造りを始めたのは2005年のこと。山育ちで家族の影響から2人は幼少時から親しんできた。食事や病気の時の治療にも出来る限り自然由来のものを、と育てられてきた彼らにとってワイン造りの際にブドウをバイオロジック栽培で管理することは当たり前の感覚だった。自然酵母で醗酵を行い、マセレーション期間はベースのヴィーノ・ノービレで30日前後、トップ・キュヴェのシレオ(Sileo)は60日以上に及ぶ長期マセレーションを貫徹。ワインにそなわる質実ながらも壮大・荘厳な余韻のドラマ性は圧巻の域にあり、現代には稀な超熟型タイプのワインのため、ボトル熟成にかける時間がゆたかな味わいの決め手となるはずだ。ベースのヴィーノ・ノービレのみは日本向けのみ、より早くワインが開くことを狙って、瓶詰前の亜硫酸添加はしないようお願いしている。
モンテプルチアーノについて
イタリア全土でも屈指の銘醸地としての歴史と栄誉を誇る町。9世紀のブドウ畑の権利譲渡に関する書類、16世紀ローマ教皇食料番による「教皇が偏愛する完璧なワイン」との記述も今に残る。町はモンタルチーノから東北東に25kmほどの内陸部。一般的には土壌はより粘土がちで固く、平均気温もモンタルチーノよりやや低い。かつてM・クレイマーは「トスカーナの名のあるワインの中でも、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノほど品質の落ちぶれたワインはない」とまで書いた。しかし、2010年前後からの品質指向の徹底と、国際品種ブレンド率の低減で、今やこの地域は“高貴な(=ノービレ)”サンジョヴェーゼの産地として、最も注目すべき産地の一つに生まれ変わったと言っても過言ではない。ゆえM.W.ニコラス・ベルフレージの「モンタルチーノのワインはモンテプルチアーノのそれより値段が2倍高い。だが美味しさも2倍だろうか?」という問題提起は、年ごとに重みを増している。
トスカーナについて
サンジョヴェーゼ品種の最重要生産地であり、その王国。20世紀末の短期間、主に伝統産地外の沿岸部などで、ボルドー品種とバリック新樽を用いた濃厚なワインが“スーパー・タスカン”と称され、世界を席巻したが、近年はよりピュアにサンジョヴェーゼの美点を追求する生産者に再び注目が集まっている。ただし区分したいのは“スーパー・タスカン”の中でもかつては主にキアンティ・クラッシコDOCG法外だった100%サンジョヴェーゼを敢行したゆえのワインたち。それらの生産者の中には、サンジョヴェーゼ100%がDOCG法認可された後も、IGTにとどまり偉大な深みを持つワインを生み続ける生産者が少なくなく、同じ“スーパー・タスカン”の中でもボルドー品種主体のものとは区別して把握・評価するべきだろう。また、この州の人々は歴史的に進取の気性に富み、常に探求と挑戦と共にワイン造りも変化する。その様子を、ヒュー・ジョンソンは「旧世界の中の新世界」とさえ評している。