Champagne Ulysse Collin
シャンパーニュ・ユリス・コラン
造り手: |
Olivier Collin オリヴィエ・コラン |
国・地域: |
Congy フランス / シャンパーニュ / コトー・デュ・プティ・モラン / コトー・デュ・セザネ / コンジィ |
主要な使用品種: |
シャルドネ (Chardonnay) ピノ・ノワール (Pinot Noir) |
ホームページ: | なし |
ワイナリー詳細: | ダウンロード(PDF) |
取扱いワイン詳細: | ダウンロード(PDF) |
シャンパーニュ・ユリス・コランについて
シャンパーニュ・ユリス・コランを所有し、栽培醸造するオリヴィエ・コランは、大手メゾンに貸与していた畑をとり戻すことに成功したあと、身に着けてきた技術的な蓄えと見識をもとに2004年、ようやく自身のワイン造りに着手し、コラン家の家業を復興する。ワイナリーはコトー・デュ・プティ・モランのコンジィ村にあり、村周辺とコトー・デュ・セザネに計8.7haの畑を所有する。シャンパーニュの生産を始めてわずか20年にしてオリヴィエは、大手メゾンへの単なるブドウ供給源視されてきたプティ・モランとセザネの両コトーの名を、シャンパーニュ市場へと知らしめた。聡明なオリヴィエは畑を息づかせるために、惜しみない労力を投じるが、「有機」の固定観念には囚われない。醸造面では非酸化型の風味で長熟を期した造りに転じる。すなわちヴァン・クレールには補酒を行い、リザーヴ・ワインのストックとその添加比率を着々と高める。のみならず、瓶内澱熟成—デゴルジュマン前の棚保管(sur lattes)—の期間が決定的に重要と見定めて、その計画的な長期化を実現するとともに、販売サイクルを延ばしていく。例えば2016年ベースのレ・ザンフェールは、セラーでの熟成期間を48ヶ月と60ヶ月と2回に分けて出荷。デゴルジュマンを待つボトルは、2023年現在30万本を超える。かくして、オリヴィエ作のシャンパーニュはリリースごとに印象の深みを加え、くっきりとした輪郭、集中力、優雅さは、他の追随を許さないが、鋭角さが穏やかになったのは妻サンドラ夫人の功との由である。
コトー・デュ・プティ・モランについて
コート・デ・ブランとコトー・デュ・セザネの間を東西に流れる、マルヌ川の支流、プティ・モラン川上流の生産地域で、ブドウ畑の作付け面積は約1000ha。シャンパーニュの5つのサブリージョンには数えられてはおらず、小さな生産地域で地理的にも両地域の中間に位置するため、コート・デ・ブランの南、もしくはコトー・デュ・セザネの北の周辺地域、のように言及されることが多く、地域のシャンパーニュの品質にまで言及されることは少ない。土壌はコート・デ・ブランに近く、下層土には分厚いチョーク層があるものの、シャンパーニュ地方には珍しい、シレックスやオニキスの大きな礫も見つかり、固有のミネラル感、時にはスモーキーなニュアンスも与えるという。
コトー・デュ・セザネについて
マルヌ県最南の生産地域で、南部は少しオーブ県にもかかり、シャンパーニュの5つのサブリージョンに数えられる、ブドウ畑の作付け面積は約1300ha。グラン・クリュやプルミエ・クリュは存在せず、地域北部にあるセザンヌの街の近くにはグラン・モラン川の水源があり、堆積物が多く表土が厚め。中部から南部は表土が薄く下層土のチョーク層も近い。そのためシャルドネの作付面積が多く、長らくランスやエペルネの大手生産者へのシャルドネの供給元となってきたが、その地域の固有性について語られることはなかった。シャンパーニュ地方の中では南部に位置する地域なので、生産されるシャンパーニュは比較的果実味豊かで包容力がある。
シャンパーニュについて
パリの北東約150km、北緯49~50度で、近年のイギリスなどの例外的な地域を除くブドウ栽培の北限とされる寒冷な地方。年間平均気温約10.5℃。約32,900haにおよぶAOC圏は319の村、240,000の区画にまたがり、栽培農家は約19,000軒。自社瓶詰め生産者も約2,000に達するが、全生産量の約3/4は、モエ・エ・シャンドンなど大手6社が占める。地質的には中生代白亜紀後期の白亜質石灰、およびジュラ紀キメリジアン階の泥灰岩、石灰岩が中心となる。1600年代末までは非発泡ワインの産地で、現在の瓶内二次発酵、およびデゴルジュマンを経る通称“シャンパーニュ方式”での製法を発見・定着させたのは19世紀、ヴーヴ・クリコの功績である。よく俗説に出るドン・ペリニオンは、実際は存命時の17世紀には邪魔ものとされた泡を、いかに抑制するかに腐心したとされている。またこの地は、寒冷地ながら、ブルゴーニュよりさらに多い10.4t/haもの法定上限収量が認められている。