ラシーヌ・オフィス便り vol.37

2012.08 担当:西

 


普段なかなか垣間見ることが出来ないラシーヌの活動ぶりをご紹介!


7月12日:新着試飲会 at ラシーヌ・1階試飲ルーム (四ツ谷)
フランス/イタリア/オーストリアワイン:計35アイテムを試飲。注目の新規取扱生産者『ファタローネ(伊)』と『セルナー(墺)』が登場!また、長らくお待たせしていたアリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールの新ヴィンテッジをご紹介しました。

◆(伊/プーリア)(赤) ファタローネ / ジョイア・デル・コッレ 2007 上代:2,300円
お待たせしました!今まで取り扱いがなかった、プーリア州のプリミティーヴォ種。濃密なエキスの中にある、 澄んだ酸とミネラル。2007vtながらフレッシュさを感じさせる。低価格帯とは思えない奥ゆきのあるワイン!


◆(墺/ヴァグラム)(白) セルナー / ヴォーゲンライン グリューナー・フェルトリーナー 2011 上代:2,500円
まっすぐにつきすすむ、清々しいほどの透明感あふれるエキス。凛とした酸とミネラル。
みずみずしく爽やかな香りが味わいにあふれている。

 

7月 3、11、19、25、26、27、30、31日:デバン立会い
ラシーヌでは新着ワインの管理/到着/納品状況を確認するため、倉庫でのデバンに必ず仕入れ担当者が毎回立ち会っています。

 

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ラシーヌ・オフィス便り ~番外編: ラシーヌ・広報担当・西のフランス縦断ツアー記~
7月中旬。誰よりも早く夏休みをもらい、フランスへ行ってきました!昨年の4泊5日・フランス横断・弾丸ツアーとは、うって変わり今年は6泊7日・フランス縦断・ゆったりツアーとなりました。そのほんの一部を、ご紹介します。

 

~ 生産者訪問 ~ サヴォワ/ Jean Yves Peron(ジャン・イヴ・ペロン)
フランスに早朝到着し、そのままの足で向かったのが【アヌシー】。
2008年。ラシーヌ入社前、偶然、真夏の2ヶ月間、研修させてもらった【ジャン・イヴ・ペロン】に会いに行く。パリ生まれのジャン・イヴと、クレールは、都会っ子らしいオシャレな雰囲気をもつ。冷涼かつ、特殊な品種が栽培されるサヴォワ地方。パリ生まれの彼らが、決してワイン造りに最良ではない土地を選んだ理由。それは、ペロン家が所有する別荘があることだけではなく、サヴォワ地方特有の品種の可能性と、地球の温暖化を鑑みた結果だった。『今後、地球の温暖化による気温の上昇は避けて通れない。冷涼すぎるといわれる 地域は、“冷涼”で、ブドウ栽培に適した土地という見方に変わっていくはずだ。』と語る。

 

ジャン・イヴ・ペロンの父親は、食品関連企業:ダノンの食品研究開発者。大学時代、父親の影響で専攻していた理系学部に、 どうしても興味が沸かず悩んでいたところ、ワイン醸造学と出逢う。そのときのことを、『ただ、ただ、“パッション”を感じた。』と語る。直後、ボルドー大学/醸造学部に編入。入学当初は醸造学のおもしろさにハマっていたが、大学の仲間内でワインを飲んでいるうちに、今の彼のスタイルである“自然派ワイン”に出逢う。当時の同級生には、ローヌでワイン造りに励む日本人:大岡 弘武氏がいる。大岡氏とは、現在も公私共に交流が深く、頻繁な意見交換はもちろん、遠く離れた土地でも、お互いの家を行き来する仲だ。
大学卒業後は、ティエリー・アルマン、ジェラール・シュレール、アメリカ、ニュージーランド等で研修し、自分のドメーヌを立ち上げ、現在に至る。2004年が初ヴィンテッジの若手醸造家。

ジャン・イヴ・ペロンは、醸造中および瓶詰め時の酸化防止剤使用や、畑への硫黄散布も極力しない(※場合によっては、極微量使用)。“自然”で、土壌を尊敬したワイン造りを実践している。カーヴでの試飲中、各栽培品種や品種および樽ごとの醸造過程について、事細かく丁寧に、かつ理論的に説明してくれた。また、通り一遍の醸造方法に頼らない。たとえ、同じ区画の同じ品種でも、樽ごとに醸造方法を変えて熟成をするなどして、様々な“実験”をしながら、あくまで、サヴォワ地方特有の土壌や品種の個性が反映される、自分が理想とするワイン造りに取り組んでいる。2004年の初ヴィンテッジ以降のワインの出来や、その年のブドウの出来をふまえて、柔軟に、試行錯誤をしながら、ワイン造りに真摯に向き合う姿が感じられる。

 

現在、パリのカーヴやビストロで必ず見かける彼のワイン。当初4キュヴェ(白1、赤2、ロゼ1)だったが、最近ではネゴシアンも始め、僅かながらキュヴェ数が増加。ただし、『キュヴェ数を増やし続けることは考えていない。1生産者がたくさんのキュヴェ数をもつことにあまり魅力は感じていないし、 自分自身の手に負えなくなってしまったら、利益ばかりをおってしまい、味わいの繊細さまで感じ取れなくなってしまう。それでは本末転倒だ。』という。どの樽のワインも同じ表情の味わいはなく、 個性が溢れており、瓶詰めされ、これから仕上がる彼のワインが非常に楽しみである。

 

【Cotillon des Dames 2008 (mag)】
今回の滞在中、『2008年は、研修していた年だからね。』と、あえて2008年vtのワインを数本空けてくれた。(2008年は、ジャン・イヴ・ペロンの愛娘:ルイーズが産まれた年でもあり、彼にとっては貴重な年のはずなのに・・・感謝。)中でも、このマグナムは特別。バリックの中で、上に浮きあがった澱の部分を、丁寧に汲み取り、濾してできる、年に1本しか造れないボトル。(2008年vtと2010年vtのみ、特別にモンドゥーズも入っている)ジャケール特有の凛として芯のある美しい酸味が骨格となり、凝縮したエキスに、青みがかった複雑味も感じられる。 まさにVin Vivant! (活き活きとしたワイン)。

 

~カーヴ / ビストロ~ ニース/ 唯一!自然派ワインが揃う場所
CAVE & Bar a Vin
[la part des anges / ラ・パール・デ・ザンジュ] 
住所:17,rue Gubernatis - 06000 NICE  tel:04.93.62.69.80
パリのle verre vole (Bar a vin) にいたニース出身のオリヴィエ氏が開いたお店。店内には、フランス各地の自然派ワインが勢揃い!カヴィストも、とても気さくで、軽やかな対応が心地よい。また、近くにある『ビストロ・フロマージュ』とも仲がよく、自然派ワインの意見交換や、本数の少ないワインは互いに分けあったりしている様子。ワインがつなぐ人の輪を感じた。

 

Bistrot
[LA MISE AU VERRE / ラ・ミゾ・ヴェール] 
住所:17, rue Pastorelli - 06000 NICE
tel:04.93.85.69.90
la part des angesのワインが飲めるビストロ。
カーヴであるla part des angesから徒歩1分の距離。店内には、所狭しと、ミッシェル・トルメールの絵が飾られており、さりげなく、かつ、軽快なサーヴィスが心地いい。

 

 

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