ラシーヌ・オフィス便り vol.22

2011.3   担当:西


3月3日: 新着試飲会 at ラシーヌ・1階試飲ルーム (四ツ谷)

久しぶりの新着試飲会。12~2月に到着したフランス&イタリアを含む、計20アイテムを試飲!
新規取扱生産者も多数!
・Domaine Gauby ドメーヌ・ゴビー (フランス/ルーション)
・Hartman Donà ハルトマン・ドナ (イタリア/アルト=アディジェ)
・La Costa ラ・コスタ (イタリア/ロンバルディーア)
・Angelinetta Emanuele アンジェリネッタ・エマヌエーレ (イタリア/ロンバルディーア)



◆ ドメーヌ・ゴビー
/ コート・カタラン レ・カルシネール・ブラン 2009
/ コート・デュ・ルーション・ヴィラージュ レ・カルシネール・ルージュ 2009


ドメーヌ・ゴビーは、2008年から父から息子へ代変わり。造り方も変わり、ますます魅力に磨きのかかっている造り手。 特に、スタンダードキュヴェの赤と白は、南仏のワインだからと重苦しくなく、抜栓後から広がる華やかな果実香と 美しいエキスのみずみずしさが溢れており、すんなり心地よく飲めてしまうワイン。

◆ハルトマン・ドナ / ミッターベルグ ドナ・ブラン 2006

2001年が初ヴィンテッジとなる造り手。このワインは木樽にて発酵、熟成。すでに、2006年ヴィンテッジという古いヴィンテッジではあるものの、まったりしすぎず、美しいミネラルがある。酸に支えられた、ふくよかな果実味が、やわらかく豊かに広がる味わい。

3月11、22、23日:デバン立会い
ラシーヌでは、新着ワインの管理/到着/納品状況を確認するため、倉庫でのデバンに、仕入れ担当者が毎回立ち会っています。

生産者訪問記 vol.2
~ル・クロ・デュ・テュ=ブッフ&ネゴシアン ピュズラ=ボノム(旧・ネゴシアン ティエリー・ピュズラ)~
(西 美雪・記)


ジャン・マリとティエリーのピュズラ兄弟と、ラシーヌのつながりは深い。
ラシーヌ設立当初から、彼らのドメーヌ:『ル・クロ・デュ・テュ=ブッフ』とティエリー率いる:『ネゴシアン ピュズラ=ボノム(旧・ネゴシアン ティエリー・ピュズラ)』のワインを紹介し続けてきた。その深い縁と、彼らのワインの心地よさを感じるべく、僅かな時間ながら訪問させてもらった。



彼らのワインは、あくまで”自然”そのもの。その味わいは豊かで、様々な顔をもつ。
親しみやすく、軽やかで、生き生きとした果実味溢れるワイン。熟成を経て、豊かなエキスの中に、酸とミネラルが溶け込み、澄んだ美しい味わいがより洗練されたワイン。
キュヴェごとに魅力があり、その魅力からテロワールを大事にする彼らの仕事ぶりが伺える。
どんな場面にもあう彼らのワインは、フランスをはじめ、日本やアメリカでも人気を誇る。

ピュズラ兄弟は、15世紀からモンティに続く家系。
この土地に生まれ育った彼らは、この場所を愛してやまない。
畑を歩きながら、土やブドウについて話すティエリーの言葉からは、ごく自然に、この土地に対する想いが伝わってくる。

「僕たちは、自社畑に隣接している森を少しずつ購入している。それはこの森林を自分達の手で守り、テロワールをとりまく自然環境の保全に努めていくために、必要不可欠なことだ。」と語る。彼らは、今後も、この森の木々を伐採し、新たにブドウを植樹する予定はない、という。

ネゴシアンのワインは、買いブドウによって造られる。
ティエリーが十分な自社畑を持ちながらも、あえて買いブドウでのワインを醸造する理由は、この土地で生きる人々の生活を守ろうとする彼の意思でもある。今までティエリーが独力で努めてきたネゴシアンだったが、2009年ヴィンテッジからは、若き栽培醸造家のピエール=オリヴィエ・ボノムも参加することとなった。

畑への道中、すれ違う1台の軽トラック。互いに車を止め簡単な挨拶、相手の仕事や体調への気遣いと近況報告。何気ない日常に、彼らと、この土地で生きる人々のつながりを感じる。


ロワール地方、そして、自然派ワインの造り手の中心人物の1人として居続ける彼らには、テロワールに対する尊敬、この土地で生きていく信念がある。
そんな彼らの周りには、いつでも多くの人が溢れ、彼らと彼らのワインに親しみやすさを感じている。彼らのワインにある“自然さ”は、彼らがワインを造り、今を生きている姿勢の“自然さ”そのものなのかもしれない。訪問中、彼らを通して多くの人と触れ合う中で、「ワインは、人によって造られる」ということを、改めて感じた。

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