オリヴィエ・コランとジェローム・プレヴォー


ジェローム・プレヴォー


ベルトラン・ゴトロー


オリヴィエ・コラン





『ラシーヌ便り』no. 64

2011.2  合田泰子

《合田泰子のワイン便り》

 この冬は、ヨーロッパも厳しい寒さが続いているようです。
クリスマスも間近の2010年12月18日、今回の出張の最終日に、パリのカーヴ・オジェで恒例の店頭試飲会が、雪の舞うなか路上で開かれました。もちろん、試飲は無料で、熱心なシャンパーニュ愛好家たちが寒さにめげず、貴重なワインの入ったグラスを片手に、狭い空間にもかかわらず造り手たちと語り合える機会を楽しんでいました。

 縦型の空樽の前に陣取ったのは、ベルトラン・ゴトロー、オリヴィエ・コラン、ジェローム・プレヴォー、ラルマンディエ・ベルニエ、ジモネ、ジャクソン、ドラピエと、錚々たる自然派シャンパーニュの造り手たち。ファンの差し出すグラスに、ご自慢のシャンパーニュを注いでいました。アンセルム・セロスも加わるはずでしたが、私のいる間は、姿が見えませんでした。写真からも、どれほど寒いか、お分かりいただけますでしょう。皆、鼻を真っ赤にしていました。「さあ、ヴィニュロンたち、これで暖まって」と、お店からの差し入れのブッフ・ブルギニョンとアンリ=プリューレ・ロックのクロ・ド・コルヴェで、暖をとっていました。

 アリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールへ2009年のテイスティングに行きましたが、最大の目的は、初めて作ったネゴシアン・ラベルのワインをテイスティングすることでした。2009年の春、霜のために収穫量が少なくなったのをきっかけに、近くのヴァンサン・ピコの実家や、近隣のビオの栽培家からブドウを買ってネゴシアンを始めたのです。2009年ヴィンテッジでは、アリス・エ・オリヴィエからシャブリ・ユムール・デュ・タン以外に、ネゴシアン・ラベルのシャブリとシャブリ・プルミエ・クリュが登場します。アリスとオリヴィエという手練の醸造家がこしらえる、北部ブルゴーニュの素敵なネゴシアン・ワインが5月にはお目見えしますので、ご期待ください。


「シャンパーニュ、20年の熟成を味わう会」
  昨年暮れに、シャンパーニュで開かれた私的な催し「20年の熟成を味わう会」に声をかけていただき、塚原とともに参加させていただきました。32種類もの、堂々たるシャンパーニュは、いずれも造り手から蔵出で集められ、シャルドネ100%のキュヴェと、ピノを含むキュヴェにわけ、二日にわたり開かれました。私たちも、東京からアラン・ロベール・メニル・レゼルヴ1990年を持って行きました。会場は、サロン社の美しいテイスティング・ルーム。モダンな素晴らしいテイスティング・ルームは、機能的でかつ洗練されていて、グラン・メゾンの華というべき“サロン“ならではの特別な空間でした。サロン・マグナム1990年は、活き活きとした味わいをまといながらも20年の熟成を経て表れた奥深い高貴な味わいがあり、初めてその真価を経験することができました。 今後のラシーヌのシャンパーニュの仕事に、貴重な経験を生かしていきたいと思います。

合田 泰子

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