『ラシーヌ便り』no. 6

2005.12  合田泰子

 ラ・ルネッサンス・デ・アペラシオンの試飲会も終わり、短いあいだ来日した造り手も帰りはじめました。会場にお来しいただいた方、また、歓迎会にご出席いただいた方、ありがとうございました。25日にディディエ・バラルとピエール・フリック夫妻が到着して以来、当社でも連日のように、スタッフ/社外との交流会、各種ミーティングなど、あわただしい日々をくりかえしてきました。
 造り手とじかに会い、テイスティングしながらお話いただくことによって、いっそうワインの理解を深めていただけたのではないでしょうか。バラル夫妻は大きなアルバムを2冊、抱えて来ました。畑や醸造過程の写真を見せながら、熱心にワイン造りを伝えようとしていたディディエの姿には、尊敬の念を新たにしました。マルク・アンジェリのブースでは、テイスティングというよりもゆっくりと味わいながら、マルクのワインをきっかけにどのように自然派のワインを好きになっていったかという感動を伝えようとする方々が多く、私も驚きました。長い列が続き、人気の高さと幅広いファンが定着したことを実感いたしました

 年内は出張の予定はしていなかったのですが、11月初めにアルザスとシャンパーニュ、北イタリアへ行ってまいりました。シャンパーニュでは、ジェローム・ プレヴォーほか数社を訪ねました(プレヴォーは入荷量が少ないため広くご案内できず、本当に申し訳ありません)。プレヴォーでは、2005の発酵中のキュ ヴェと特別長く樽熟成させている2004を樽から、2002(2005年3月入荷済み)とデゴルジュマンしたばかりの2003のボトルをテイスティングし ました。今回の訪問で、あらためてジェロームの驚異的な才能を確認するとともに、並行市場問題や今後のプロジェクトなども、深く話し合うことができまし た。ワインには緊張感が静かにみなぎり、神経質でなしに深い世界を湛える独特の境地が味わいに実現している、と実感いたしました。 
 このたびの出張で、また新たな発掘がありました。シャンパーニュほかフランス各地でも北イタリアでも、若い世代の素晴らしい造り手が、ヴァン・ナチュールの大きなうねりの隙間に生まれてきています。今後ますます楽しみです。

12月入荷のご案内:
アリス・エ・オリヴィエ・ド・ムール ブルゴーニュ・アリゴテ 2004 \2,200
 夏前に1200本入荷し、またたくまになくなってしまったアリゴテ2004の再入荷です。夏前のキュヴェは、残糖を残したままビン詰めしましたが、今回 入荷のキュヴェは、夏中タンク内で発酵がすすみましたので、よりドライな味わいになりました。シャープでありながらエキスが十分あるため、アリゴテらしい活き活きとした味わいを楽しんでいただけることでしょう。

クリストフ・ヴィオロ・ギュマール ポマール・プルミエ・クリュ・クロ・オルジュロ 2003 \8,500 
 ラシーヌが選ぶブルゴーニュ赤ワインのヴァン・ナチュール版が、いよいよ登場です。10月の試飲会でマグナムをテイスティングしていただいた方々には、 長らく到着をお待たせしてしまいました。堂々とした古典的な味わいとともに、いかにもヴァン・ナチュールらしい《やわらかなタッチ》と《澄んで心地よいアフター》が伝わってくるワインです。
 クリストフ・ヴィオロは、1990年代に始まったブルゴーニュ・ワインの様相を変化させてきた高品質志向型の若い世代の造り手の一人です。家族の一人と して長らく栽培を担っていましたが、1992年から彼自身のワインを造りはじめて以来、ワインは著しい向上をとげてきました。ボーヌ・クロ・デ・ムーシュ に隣接し、1922年に植えつけたクロ・オルジュロの畑をモノポールで所有していることを、クリストフはとりわけ誇りに思っています。2000ヴィンテッ ジから、彼は醸造方法を一新しました。密閉した発酵槽に除梗せずにブドウを10℃で4日間保ち、15℃で発酵をはじめ、30-33℃で15-18日発酵さ せ、醸造過程では酸化防止剤非使用です。
 ヴァン・ナチュールの赤ワインの醸造によく見られる、炭酸ガスを満たした発酵槽内での低温漬浸を、ここでは避けていることが、古典的な味わいをもたらしているのでは、と思っています。

ドメーヌ・モンタネ・トダン
造り手:カトリーヌ・モンタネ
地域:ヴェズレ(ブルゴーニュ) 畑は4ヶ所に分かれています。
*1.41ha ピノ・ノワール (ブルゴーニュ・ヴェズレ)
  *0.99ha シャルドネ (ブルゴーニュ・シャルドネ)
*0.12ha ガメ (ヴァン・ド・ターブル)
*0.05ha ムロン・ド・ブローニュ (ヴァン・ド・ターブル)

ヴィーニュ・ド・ショーモン :
ピノ・ノワール、シャルドネともに樹齢は6年。南向き斜面で、泥土と石灰岩の土壌。
ヴィーニュ・ドゥ・ヴェルミリエール :
シャルドネ(樹齢14年)、ピノ・ノワール(樹齢5年)。南東向き斜面で、泥土と石灰岩土壌。
ヴィーニュ・デ・ロッシュ :
ピノ・ノワール(樹齢3年)。南東向きの斜面。泥土と石灰岩土壌で、小さな石を多く含む
ヴィーニュ・ドゥ・ルエ : 
ピノ・ノワール、シャルドネ、ムロン・ド・ブローニュ、ガメ。樹齢15年。
南西向き斜面で、表土は泥土と石灰岩土壌で、小さな石を多く含む

栽培: ビオロジック。「カリテ・フランス」の認証を取得 
醸造: 培養酵母を使わず、補糖もせず、酸化防止剤非使用で醸造。白ワインはビン詰め時にわずかに酸化防止剤を添加するが、赤ワインはビン詰め時にも酸化防止剤を不使用。

 「アンリ・ド・ヴェズレ協同組合がシャブリジェンヌに吸収されたため、協同組合をヴァン・ナチュールの醸造方法へと導いたジャン・モンタネ氏が独立した」と聞き、すぐさま飛んでゆきました。「8月31日、きのうで退職したばかりだよ」と収穫に向け大急ぎでセラーを建設中のモンタネ家は、新たな人生に向け活気に満ちていました。夫人のカトリーヌさんが設立したドメーヌ・モンタネ・トドンと取引させていただくことになりました。セラーは、ご主人のジャン・モンタネ氏(ドメーヌ・ド・ラ・カデット)と同じ敷地内にあります。2004年は、必ずしも良年ではありませんが、ピノ・ノワール/シャルドネともに、みずみずしくて澄んだ味わいで、飲み心地の大変よいワインです。これからが、楽しみな造り手です。

 イタリアのコンテナーでは、チャッチ・ピッコローミニ(ラシーヌ初登場)、バルバカルロのオルトレーポ・パヴェーゼ・ロッソ=ロンケット1986(お待たせいたしました)が、到着しました。ロンケットは今回入荷分で終売ですのでお急ぎください。

  ボジョレ・ヌーヴォもお蔭様で無事に終わりました。今年のヌーヴォは高いレベルでバランスがとれ、古典的なスタイルでおいしさがストレートに伝わりましたので、お楽しみいただけたことと思います。若干酸が高く感じられたかもしれませんが、時間とともに味わいがまとまってきました。

 新登場のヴィヌメンティス(ヤン・ロエル)のヌーヴォは、半年かけて準備をしてきたものです。早々にご予約いただき有難うございました。追加のご希望を多々いただきましたが品不足でお応えできず、申し訳ありませんでした。

長年ご愛顧いただいていますマドーヌは今年も「安心して飲める味わい」とご好評いただきました。『ウォールストリート・ジャーナル』と『ワインスペクテーター』では、アメリカ市場におけるベスト・ボジョレ・ヌーヴォに選ばれたと連絡が届いています。

ジャン・フォワイヤールは、5リットルと750mlで味わいの差を感じました。来年は、ヴィヌメンティスのボジョの5リットルをたくさんご用意したいと思います。よりいっそう話題を提供できるヌーヴォーをご案内すべく、来年に向け新たな計画をスタートしていますので、どうぞご期待ください。

なお、来年の仕入れに参考にさせていただきたいので、ご感想などお寄せいただければ幸いです。

合田 泰子

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