2010.08.03 合田泰子
《合田泰子のワイン便り》
連日の猛暑ですが、お元気でお過ごしでしょうか。 頭が暑さでぼーっとするような毎日ですから、涼しいお話をしたいと思います。
先日、大阪のお得意様を訪問しましたら、出荷待ちのワインが、セラーの外に積まれていて、室内は15度近く。湯気がたっているような外から入ってきたのですが、汗も一瞬でひきました。スタッフの方々は、長いダウンを着ておられましたが、さすがに一日中、冷えた室内での作業は、体が冷えて、大変なようです。 きっと、寺田倉庫の出荷担当の方々も、外気温との差にめげずに体調コントロールするのに苦労されていることと思います。
今日は、シャンパーニュのお話で、しばし涼しさを感じてください。 先日、ジョゼ・ミシェルが作るキュヴェ・ウダール(85/86/88、デゴルジュマン:2002年8月)を味わう機会がありました。 コルクはとても良い状態で、ムシィの上質なピノ・ムニエの魅力が存分に発揮されていました。ドライで、骨のあるミネラル感があり、熟成感はわずかで、まだまだ若々しく、ジョゼ・ミシェルの腕の冴えをあらためて確認しました。シャンパーニュ地方の伝統の味わいというべきおちついた味わいでした。
ジョゼ・ミシェルのシャンパーニュをご紹介するようになり、前社ル・テロワール時代から数えると、今年で10年になります。 マイケル・エドワードさんの紹介で取引が始まりましたが、理想のスタンダード・シャンパーニュとして、長らく皆様にご愛顧いただいています。樹齢の高いピノ・ムニエから生まれる彼のシャンパーニュは、地元では長命なことで名高く、私も1959年、1955年、1953年を何度かジョゼさんのお宅でご馳走になりました。古いシャンパーニュは、甘さが溶け込み、しっとりとした優しい味わいで香り深く、特に56年は、まだまだ活き活きとした美しいシャンパーニュです。
この10年は、名人の壮年期の作品とお付き合いさせて
いただいた、とても幸せな時間だったと思います。50年間シャンパーニュを造ってこられたジョゼさんご夫婦は、先日おうかがいした時もまだまだお元気で、今年リリースのキュヴェ・ウダールを楽しくいただきました。 フラッグ・シップともいうべき、スペシャル・クラブは、1971年に12人の造り手が集まり、レコルタン・マニピュランの結束と向上を目的として始まりました。
今年の秋は、スペシャル・クラブ(2000、デゴルジュマン:2008年10月)キュヴェ・ウダール(85/88/90/95/04、デゴルジュマン:2009年2月)をご紹介させていただきます。レコルタン・マニピュランの生き字引ともいうべき、ジョゼ・ミシェルの名作を、是非、ご自宅のセラーでゆっくりと優雅に熟成させてはいかがでしょうか。一クラス上のシャンパーニュの楽しみをお約束します。
なお、8月24日関西地区、8月25日東京地区の《シャンパーニュ試飲会》に、是非ご出席くださるよう、お誘い申しあげます。