『ラシーヌ便り』no. 52

2009.12.25  合田泰子

 表情の美しい方だなー、なんと素敵な横顔だろうと思う人に会うと、しばらく幸せな余韻が残ります。ワインの造り手では、すぐに思い浮かぶのが、テオバルド・カッペッラーノ、サルヴォ・フォーティ、ジェローム・プレヴォー。 優しさと深い知性をたたえ、人間の複雑さと多様さを楽しんだ人、テオバルドの横顔が、今も、ワインの味わいとともに懐かしく、思い出されます。若いころきっと険しい表情だったと思われるピエール・オヴェルノワも、今はおだやかで美しい横顔をされています。

 造り手ではありませんが、ベッキー・ワッサーマンもまた、喩えようのない笑顔の持ち主です。ブルゴーニュの片隅に40年も住みつき、優れた生産者を発掘・育成しながら世界中に紹介しつづけているベッキーは、とてもチャーミングな女性で、私の憧れの的でもあります。

 ラシーヌでは、ニース在住の写真家「Keiko & Maika」 さんに、今年のカレンダーを作っていただきました。 造り手たちは、みな美しい目をしてすてきな横顔です。 いい表情は並大抵の努力でできるものではありませんが、この一年、せめて、周りの人々を元気づけられるような明るい横顔を志してまいりたいと思います。

 さて、表情豊かなワインは、飲んだあとに深い余韻を残してくれます。味わいの強い余韻ではなく、ワイン全体がかもしだす、穏やかで静かな読後感のようです。 世界中にたくさんのワインがありますが、そのような印象を飲み手に与えてくれるワインはわずかです。私たちの知らないワインにも、まだまだ深い表情のある素晴らしいワインがあるに違いありません。昨年、初めてであったギリシャ・ワインがそうでした。暮に急遽訪ねた北イタリアの若い造り手のワインも、昔出会った彼の師匠と過ごしたセラーでの一時に時空を超えてタイムスリップしたかのような深い印象をもたらしてくれました。

 今年も、そのようなワインとの出会いに向けて努力を重ね、皆様に素晴らしいワインをお届けできるようラシーヌ一同力を合わせてまいりたいと存じます。

 そして、予告編です。本年1月から、大型の営業マンが加わります。その名は久保宏平、33歳。これまでの営業経験を活かしながら、明るく積極的な人柄でもって、ラシーヌに新風をもたらしてくれるはずです。大いにご期待下さい。

 末尾ながら、皆様にとって幸多き明るい年でありますよう、お祈り申し上げます。 

合田 泰子

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