2008.10.29 合田泰子
秋晴れの心地よい時候となりました。本当にすがすがしい毎日ですね。心は晴れやかに、実りの秋を楽しみたいところですが、9月30日に始まりました世界的な金融危機は今後日本経済にどのような影響を及ぼすか、想像もつきません。このようなときには、心だけでも明るく、風評にまどわされることなく嵐が去るのを待ちたいと思います。
弊社では、仕入の大半が輸入前の先払いのため、支払い済みになっている商品が多く、また段階的に複数の為替予約をしているため、このたびの為替レート変動をすぐには小売価格に大きく反映することができません。が、まんいちスポットレートで支払うことができた場合は、価格変更させていただきます。基本的には、〈実際の原価構成に見合った適正な価格設定〉を、今後も続けたいと思っていますので、ご理解をいただきたく、お願い申し上げます。
今月のお便りも盛りだくさんです。コンテンツは次のとおりです。
1) カーゼ・バッセ・ディ・ジャンフランコ・ソルデラ『ペガソス』入荷
2) ヌーヴォー2008
3) ブルゴーニュ2006年ヴィンテッジ全般とオーレリアン・ヴェルデ2006入荷のご案内
4) シャンパーニュ ドノン&ルパージュ社 新規取り扱い
1.カーゼ・バッセ『ペガソス』IGTトスカーナ 入荷しました
カーゼ・バッセから話題作、IGTトスカーナPegasos「ペガソス」2005が入荷しました。詳細は9月のご案内をごらんください。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノでは、4月に「サンジョヴェーゼ100%でないブルネッロ」についての問題が紛糾し、他の品種の混醸賛成派と反対派の論争が続いています。10月27日の生産者全員による投票では、サンジョヴェーゼ100%維持という結果がでました。このニュースと経緯については、弊社ホームページにて近々ご案内の予定です。もちろんジャンフランコ・ソルデラのすべてのワインは、サンジョヴェーゼ100%、7500リットルの大樽で熟成されます。9月(大阪)、10月(東京)の試飲会で、サンプルをご披露させていただきましたが、多くの方々から「ジャンフランコならではの、のびやかで立ち上る優雅な香りがグラスにあふれ、真正な味わいのサンジョヴェーゼの醍醐味を味わえる」との意見をいただきました。古典派の巨匠が代変わりしていくなか、イタリア古典派の真髄を味わう喜びで満たされる希少な作品です。11月、12月の2ヶ月間特別価格でご案内させていただいています。
なお、ペガソス2005は、希望小売価格30,000円でご案内させていただきましたが、為替変動にともない25,000円と変更させていただきます。
2.ヌーヴォー2008
第一弾のフラール・ルージュ製《オクトーブル》が10月16日に通関がきれました。社内でテイスティングしましたが、鮮やかな果実味がひしめき、ジャン・フランソワ・ニック流のエキスたっぷりの優しい味わいを楽しみました。引き続き11月13日通関予定のアンデレア・カレク初リリースの《アンパシアント》にも期待が高まります。残りわずかとなっていますので、お急ぎください。9月中旬を過ぎて、ロワール地方は好天に恵まれたと聞き、一安心しています。夜間風が強くて気温も下がり、カビなどのトラブルが吹き飛ばされました。収量は少ないものの、大変良い収穫ができたようです。
「ボジョレー」:マドーヌからの追加情報
春は乾燥していて涼しい気候だったため、ブドウ樹は穏やかに成長し始めました。
6月は雨が多く、涼しく、樹齢の高いブドウ樹の開花は乏しい状況でした。7月初めは暑く、8月は太陽の出る良い天気に加え、激しい雨も降りましたが、9月はとても陽気な天気となりました。北風がぶどうの果実を乾燥させ、栽培者にとって完璧な天気となりました。収穫量を抑えるため若いブドウ樹の摘房をおこないました。私たちは畑を健康な状態に保つため多くの時間を費やしましたが、近隣の生産者とは異なって、私たちは畑の健康状態に関してとても楽観的です。よりよい質のぶどうを実らせるため、毎年夏の間畑で多くの仕事をします。収穫は9月22日から始まりました。私たちは例年、他の栽培家より遅く収穫を始めます。複層的なキャラクターを持つワインを造るには、大変熟しており、かつ健康なぶどうを収穫する必要があります。私たちは収穫作業のために、2週間の期間内に30人雇いました。
収穫中の選果作業はとても重要です。 私たちは選果を2回に分けておこないました。1回目は畑の中で、(8人の男性が選果の管理をしていました)2回目はセラー内のテーブル上に運ばれてきた時です。
全てのぶどうは徐梗を行いますが、破砕はしません。
マセレーションは10日~20日間おこないました。フルーティーなワインを造るために、私たちはタンクの温度管理にとても注意を払っています。ワインの香りはとても良く、チェリー、ブラック・チェリーのアロマがあり、ブラック・ベリー、クロフサスグリ、ラズベリーの香りも強く出ています。その上多くのスパイシーな香りが、ワインにより複雑さを与えています。
ワインは心地よいタンニンと長い余韻をもち、バランスよく出来ています。
私たちはボジョレー・ヌーヴォーをいち早く仕上げるため、毎日テイスティングをしています。
そして今、ワインは準備が出来ました。
2007年ヴィンテッジと同じくらい良い品質であることを望んでおります。
3.ブルゴーニュ2006ヴィンテッジ全般とオーレリアン・ヴェルデ2006の入荷ご案内
2006年ヴィンテッジは、お聞き及びのように不安定な天候でした。クライヴ・コーツや現地からのレポートによれば、2006年の成育状況は次のような経過をたどりました。
天候の推移
5月:平年なみの冬が終わり、春になっても寒気がとどまり、芽ばえが遅れた。しかし、そのあと急に気温があがり、ブドウの開花時期は早まり、花芽は酷熱にさらされた。
6月7月:コート・ド・ニュイでは雹をともなう雷雨にみまわれた。
7月:とても暑く、晴天が続く。しかし、2003年とは異なり、夜は気温がさがり、昼夜の寒暖の差により豊かな濃縮と果実がもたらされ、よい成育条件だった。
8月:寒く、雨にみまわれ、がっかりするような毎日が続く。
9月:9月に入って天気になり、月末まで好天が続いた。コート・ド・ニュイでは9月20日すぎから収穫が始まり、好天のもとでおこなわれた。
ワインの出来栄え
2006年は場所により良し悪しが様々で、総括するのが容易ではない。ジェネリック・ワインに素晴らしく成功を収めた例もあれば、高名な造り手ですらグラン・クリュで失望を招く例もある。 【白ワイン】シャブリは2005よりもよく、コート・シャロネーズも大変よい。一方マコネとコート・ドールはばらつきが多くみられる。アルコールが高い例もあれば、酸が低い例もあり、結果として溌溂とした勢いに欠けるにしても、最上のものは、2005よりも優れている。
【赤ワイン】については、コート・ド・ニュイのほうが、コート・ド・ボーヌより優れ、とりわけニュイ=サン=ジョルジュとヴォーヌ・ロマネは秀逸。7月の雹のためジュヴレ・シャンベルタンでは収量が少なかったが、品質には影響はない。続いて8月にシャンボール・ミュジニが雹にみまわれ、腐りにより品質に害をこうむったところもある。総じて赤ワインに関しては、収穫直後に造り手の見込みよりも良い結果となった。2005年のような偉大さはないにしても、色調は深く、果実味が豊かで、タニンが熟した。しかし、酸は多くのところで低い。ほどほどの期間のうちに熟成を遂げると思われる。サヴィニー、ポマール、ヴォルネの優れた造り手では、心地よい素敵なワインが多数見られる。ボジョレーでは2006は良年であり、果実味の魅力にあふれるワインが造られたところもある。しかしながら、2005年の水準には及ばない。
オーレリアン・ヴェルデ2006、今月入荷
お得意のニュイサン・ジョルジュは、相変わらず素晴らしい仕上がり。初リリースのレ・ブドは気品にあふれ、間違いなくこの年のオーレリアンの最上作です。11月、12月は特別価格でご案内いたします。
Aurerian Verdet 2006 小売価格
4.《Champagne Dosnon& Lepage》
シャンパーニュ ドノン&ルパージュ社 新規取り扱い
新しく、ラシーヌのシャンパーニュ・セレクションに、素晴らしい仲間が加わります。リリース予定は12月中旬。来月のご案内を楽しみにお待ちください。
* シャンパーニュ・ドノン&ルパージュ *
2004年に設立された、生産量50000本/年という小規模な新世代のメゾンです。創設したのは、コート・ド・バール地区にあるアヴィレィ=ランジェィ村出身の気鋭な新人、ダヴィ・ドノンとシモン=シャルル・ルパージュの二人組です。メゾンの位置は、Tonnerトネールから北東30km、Troyesトロワから南東40kmほどの距離にあります。早くも2007年のリリース直後から、『ル・クラスマン』をはじめとするフランス国内のジャーナリズムと識者から、注目を集めています。
〈シャンパーニュの美質〉である、しとやかな美しさ、エレガンスと気品を備え、ハーモニーのとれたスタイルは一クラス上の味わいを発揮しながら、価格は控えめです。シャンパーニュ市場が成熟を迎えた現在の日本に、最も必要とされるスタイルと資質を持ち合わせています。
現在ラシーヌでは、【ジェローム・プレヴォー】(グー村)、【ヴエット・エ・ソルベ】(オーブ)、【オリヴィエ・コラン】(コート・ド・ブラン、2007年12月よりリリース)、【リシャール・シュルラン】(オーブ)、【ジョゼ・ミシェル】(ムッシー村)、【タルラン】(グラン)と、様々な地域と村の個性ゆたかな造り手をご紹介しております。【ドノン&ルパージュ】は、ラシーヌのシャンパーニュ・セレクションのなかでも、間違いなく華やかな存在として育ちゆくものと信じています。
10月7日、ラシーヌの試飲会が読売オンラインに取材をいただきました。「自然派ワイン」についての番組で、以下の予定でCSテレビ放映されています。
【G+ おとな館#173 放映(50分)】
10月25日(土)22:00~(初回)
10月26日(日)10:10~
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10月27日(月)11:40~、22:35~
10月28日(火)×
10月29日(水)11:40~
10月30日(木)×
10月31日(金)11:40~
11月1日(土)×
11月2日(日)×
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11月3日(月)×
11月4日(火)11:40~、22:35~
11月5日(水)×
11月6日(木)11:40~(最終)
日テレG+ は、「スカパー」CS・309ch、「スカパーe2」cs・257ch、あるいは地元のケーブルテレビでご覧いただけます。
読売新聞ホームページ「ヨミウリ・オンライン」でのインターネット放送は、10月31日から放映です。http://www.yomiuri.co.jp/stream/m_otona/
合田 泰子