『ラシーヌ便り』no. 15

2006.10  合田泰子

 先週フランスとイタリアを経て帰国いたしました。収穫前の各地をまわりましたが、9月に入ってから好天に恵まれ、ブドウの仕上げの熟成を期待して皆、明るい表情でした。特にマコネ地区とロワール地方は、カビもなく大変よいヴィンテッジとなりそうです。
 ボジョレーでは、7月の局地的な雹害や雨にみまわれたところでは、一部カビが出ているため、畑の場所によって作柄は異なるようです。私が滞在していた間は好天続きでしたので、収穫は好天に恵まれたと思われます。
 ヤン・ロエルと一緒に畑をまわりましたが、小粒のブドウは大変健康で、今年のヴィヌメンティスも期待できそうです。

 9月初めにベルナール・ファンヴェルグから、次のようなメールが届きました。
「今年は奇妙な年でした。冬のような寒さが6月初めにようやく終わったと思ったら、一転して猛暑が数週間7月末まで続きました。8月になると、打って変わって夜は寒く、雨が降り、おまけに嵐まできました。 こんなわけで、畑の作業が増えヴァカンスどころではありませんでした。収穫は9月25日くらいになると思いますが、収量は10hlにとどまるでしょう。収量はきわめて低いものの、クオリティは高くて満足しています。」

ドメーヌ・ランセストラ/シリル・アロンゾ

 シリルがどの畑のブドウでヌーヴォーを作るか、一転二転し、ブルイィ村のシャトー・ド・モンソーのオーナーでもあるジャーク・バグダッサリアンが所有する、長年有機農法で栽培されているアルナス村1.5haの畑と契約しました。土壌は、基底は花崗岩を含む粘土質が広がり、表土はマンガンを含む砂質で、樹齢は40年です。シリル・アロンゾは、ジャーク・バグダッサリアンのセラーでヴァン・ナチュールの技法でもって醸造します。限りなく軽やかで、チャーミングな赤い果実 味があふれるヌーヴォーを造りたいと、シリルからメッセージが届いています。

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