『ラシーヌ便り』no. 12

2006.7  合田泰子

 本格的な暑さが到来しはじめましたが、お変わりありませんか。

 スペインワイン・イベント。6月下旬にスペインから造り手が来日し、おかげさまで盛況のうちにパーティと試飲会を終えることができました。ご出席いただきました方々、ご協力いただきました酒販店の皆様には、心より感謝申しあげます。大阪会場では、プロジェクターを使って1時間を越えるセミナーをさせていただきました。ドメニオ・デ・アタウタにおける区画ごとの土壌差とブドウの古樹は、臨場感を持ってお聞きいただけたことでしょう。ピエ・フランコだけがもつ、独特の優しく深い味わいをご理解いただければ幸いです。
   私たちも、短い期間でしたがカストロ・ベントーサのラウール・ペレスの人柄とワインに対する真摯な姿勢をとおして、彼のワインに対する信頼をいっそう深めることができました。ラウールは滞在期間中、ラシーヌが輸入するユニークな生産者(クロ・デュ・テュエ=ブッフ、クルトワ父子、ジェラール・シュレール、ヤン・ロエル、カッペラーノ)の味わいに、心を動かされたもようです。「このような味わいが、喜んで受け入れられるマーケットがあることが驚きだ。今後の自分のワイン造りへの大きな指針を得ることができた」と言っていました。

 新着便。今月は、6月末に通関が切れたフランス便のほかに、ティエリー・ピュズラのソーヴィニョンを含むコンテナが1本、イタリアからも1本入荷いたします。久しぶりに入荷しましたカシーナ・フォンタナのバローロをはじめとして動きの早い商品が多いため、ご希望の方はお急ぎください。

1. 《ネゴシアン》ティエリー・ピュズラについて。2004 年まで、私が依頼して造ってもらっていましたソーヴィニョンとヴーヴレのほか、ガメ・ヴァレ・ド・ロワンをご紹介してまいりました。2005年からは、《ネゴシアン》ティエリー・ピュズラを扱っていましたもう一社との契約変更にともない、ラシーヌ扱いのネゴシアン製品が拡大し、今後は日本市場への輸入は以下のように なります。
 (株)ラシーヌ扱い:ロモランタン、トゥーレーヌ・ブラン・ラ・テスニエール、モンルイ・セック、ヴーヴレ・セック、ヴーヴレ・モワルー、ヴーヴレ・ペティヤン・ナチュレル、トゥーレーヌ・ガメ・プイエ、トゥーレーヌ・ピノー・ドニス、トゥーレーヌ・コ、ヌーヴォー・ブラン。
なお、他のキュヴェは(有)ヴァン・クール社の扱いとなります。

2. 7月末には、お待ちかねのアリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールのア・リゴテ2005とともに、新顔が登場します。30年以上にわたり有機栽培を実践してまいりましたオート・コート・ド・ニュイのヴェルデ家の次世代、オーレリアン・ヴェルデが造る、2004年産(ジュヴレ・シャンベルタン、ニュイ・サン=ジョルジュ、シャンボール・ミュジニ、ヴォーヌ=ロマネ、オート・コート・ド・ニュイ)が勢ぞろいします。ヴェルデにつきましては、ワインが落ち着くのを待って、試飲会を開く予定です。

価格改定のお知らせ
 最後に、先月から予告させていただきましたが、本年9月1日よりの価格改定についてご案内申し上げます。
 ご存じのとおり、昨年から激しいユーロ高が続いております。淡い期待ながら円高になることを願って小社は価格を維持してまいりましたが、ユーロの値上がりはとどまることなく、本年6月末にはついに1ユーロが146円を超えてしまいました。
 加えて、取引先ワイン生産者の価格(EXセラー・プライス;蔵出し価格)もまた昨年から上昇傾向にあり、とりわけシャンパーニュの国際価格の上昇が、全般的に影響を及ぼしています。
 このため、円換算されたワインの仕入れ原価だけでなく、海上運賃・消費税・輸入に伴う諸コストがすべて上昇するため、ついに本年9月から値上げを余儀な くされました。諸般の事情が厳しい折り、まことに申しわけありませんが、ご理解いただきたくお願い申し上げます。なお、改訂価格リストにつきましては、7 月中旬にお送りします。

改定の基本方針は、次のとおりです。

1. 2006年8月31日までの在庫商品とご注文・出荷分について:すべての商品について現行価格を維持します。なお、9月以降の出荷を前提とした予約は、お受けできません。

2. 2006年9月1日以後の販売価格について:新着・在庫の全商品につきまして、新価格体系を実施いたします。

3. ただし、以下のカテゴリーに属する特定の商品につきましては、9月以降も当分のあいだ現行価格を維持します――《生産者の蔵出し価格が、国内の市場またはマーケット・プライスに適合していないと、当社が判断するカテゴリーのワイン》です。

合田 泰子

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