*

Le Coste
 レ・コステ 

ワイナリー名 Le Coste
レ・コステ
創業年 2004年
         
国・地域 イタリア ・ ラツィオ
地区/村 グラドーリ
代表者 Gian Marco Antonuzzi
ジャン・マルコ・アントヌッツィ
畑面積 6.5 ha
主要品種 グレケット(Grechetto)
アレアティコ(Aleatico)
プロカニコ(Procanico)
平均生産量 20,000本/年
生産者プロファイル

【ドメーヌについて】
 ワイナリーは、トスカーナ州のほど近く、地中海沿岸からは40km、ローマからは北に150km、ラツィオ州ヴィテルボ県のグラードリにある。比較的近年(といっても約100万年前)に出来た火山湖であるボルセーナ湖を見下ろす、標高450メートルほどの丘に位置している。粒子が細かくて軽い土壌は、おおよそ礫岩と凝灰岩からなり、ミネラルと鉄分を豊富に含む。

 公的な認証こそ取得してないが、いずれの畑においても自然に対して徹底的に敬意をはらう農法を実践し、ブドウやオリーブ、果樹、他の農産物などが入り混じった、多様な耕作に取り組んでいる。化学肥料も有機鉱物も使わず、雑草の管理と土の換気のため、ブドウとオリーブの樹の周囲にトラクターで2度の掘り起こし作業と、2、3度の手作業による耕作を施す。ブドウ畑においての処置は、天然の硫黄粉末と硫酸銅を基本にして、ビオディナミのプレパラートやトクサとイラクサを煎じたものを使用している。

出会い:
 イタリア・ワイン界の将来を双肩に担っているといっても過言ではない、本格的な大型新人の登場です。様々な地質に応じたえり抜きの品種が植わる畑、尋常ならざるセラー、気合にみちた造り手と、まるで可能性の塊のようなワイナリーを、ここにご紹介いたします。

 2007年9月号のラシーヌ『イタリア便り』のなかで塚原が、L.C.という頭文字で予告した生産者が、いよいよくっきりと姿を現しはじめました。生産者(会社)名は、《レ・コステ》で、正式にはレ・コステ・ディ・ジャン・マルコ・アントヌーツィ。所はイタリア中部で、オルヴィエートから車で1時間足らず、ボルセーナ湖の近傍にある内陸地のグラードリ。イタリア人のジャン・マルコと、フランス人のクレマンティーヌというカップルが、あらたに開いた3ha強の土地で、妥協を排しつつ非凡な才能と惜しみない努力をかたむけながら、実験精神にあふれたビオディナミ流を追い求めています。 おいしく楽しいワインが目に浮かぶ――ジャン・マルコとクレマンティーヌの、明るい未来がすでに約束されています。 

 ローマっ子のジャン・マルコは法律を学び、その頃はまだ手が届く価格であったエドアルド・ヴァレンティーニを、毎日のように楽しんでいたそうです。優しいまなざしの中に、鋭さを秘めたジャン・マルコは、コルビエールでワインを造っていたクレマンティーヌとともに、父上の出身地にもどりました。グラードリの村でワイン造りをする決心をしたのは、景勝地として名高いボルセーナ湖に臨む父方の故郷には、素晴らしいテロワールがあり、牛・ロバ・馬・羊を育てながらブドウ栽培ができる環境があるからでした。そうです、彼は自前のプレパラートを用いてビオディナミを実践し、セラーの奥に接する理想的な冷涼な洞窟の中で、自然派の極致ともいうべきワインを造ろうとしているのです。ワイン造りは、ジャン・ダール、パカレ、リナルディ、ディディエ・バラル、ジェラール・シュレールで学び、サンジョヴェーゼの苗は、ジョヴァンナ・モルガンティとジャンフランコ・ソルデラから、アレアティコはマッサ・ヴェッキアから入手。畑の1/3はヴィーニュ・フランセーズと聞いただけで、興味をもたずにおられるでしょうか。

  2002年に初めて彼に出会って以来、私は「あなたがワインを造ったら、一番に知らせてね」と、言い続けてきました。ブルーノ・シュレールから「彼はまだ植えたばかりだから、当分ワインは出てこないよ」とも聞いていました。が、2006年に近隣のブドウを分けてもらって、ロッソ、ビアンコと甘口ワインを一樽ずつ作ったと聞き、まず塚原が昨年6月に飛んでいきました。奥行き30mもある洞窟には、リナルディから譲り受けたスラヴォニアン・オークのボッテが二つと、パカレから譲り受けた600リットルの樽、大小さまざまな実験的なキュヴェが控え、ワインはいずれも不思議なほど還元臭や酸化香の片鱗すら感じさせない、優しく美しい味わいです。

 さて、このほど(2007年秋)、ほんのわずかだけ彼のファースト・ヴィンテッジが入荷いたしました。開墾した畑にブドウを植えたばかりゆえ、気の遠くなるような話ですが、これから少しずつ、美しくておいしいワインが届きはじめます。とはいえ、フラン・ピエ中心の畑でブドウの生育に年月がかかるため、本格的な生産はこれからですので、楽しみにじっくりお待ちください。(合田泰子)
2008年2月・記、2008年6月・補

【畑について】
栽培方法:ビオロジック
土壌:礫岩、凝灰岩。ミネラルと鉄分を豊富に含む。
堆肥:その地の産物だけで造ったコンポスト

【醸造について】
圧搾:垂直式プレス
醗酵:オーク樽、樹脂タンク、ステンレスタンク
熟成:ガラスファイバータンク、オーク樽

   
前の記事:
Ca' di Zago
次の記事:
Cristiana Meggiolaro

PAGE TOP ↑