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社員リレー・エッセイ 15 美野輪 賢太郎(営業部)

「僕はこんな旅しかできない」

 昔からお付き合いのあるお客様の中にはご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、私は学生時代から根っからの旅行好きで、今もちょっとした休みが取れたらすぐに国内外問わず旅行に出てしまいます。
 非日常な時間、空間を体験する事でリフレッシュ出来るからという面と、常に新しい経験をするという事は若々しいメンタルを維持するためにも重要だと思い、時間とお金が許す限りなるべくさまざまな土地に行くようにしています。
 僕にとって旅とは、ガイドが付いて、観光地をバスや車で周遊するものではなく、その土地の人々の素顔や暮らしぶりを見るものであって、決してお金の掛るものではないんです。
 何故このような旅が好きになったかと言うと、この1冊の本と出会ってしまったからでした。

『12万円で世界を歩く』 下川裕治 著 朝日文庫

 この本には大金を掛けて有名観光地を周遊したり、簡単には行けない豪華なレストランやホテルの体験記などは一切出てきません。出てくるのは、金が無い故に現地の人の行為に寄りかかったり、地元民用のバスに揺られたり、普通の日本人であれば入店を躊躇するような汚い食堂で食事をするような話ばかりです。しかし、そのお蔭でその国に住む人と同じ目線の暮らしと言うものを口と身体で知る事が出来ます。そして僕はそのような旅に嵌ってしまい、20数年。ついにこの様な年になってしまいました。
 流石に40を超えた年齢になりましたので、もう少し身体に負担の無い旅行をしたいとも考えるのですが、いまだに国内と言えば高速バスや青春18きっぷを使い倒し、海外と言えば安い航空券を探し、タクシーに乗れる人たちを羨望の目で見ながら地元用バスに乗り込むようにしています。年齢的にも贅沢をしても良いかもしれないのですが、染みついた性格と言うものは中々拭えない物で、つい安い方を選んでしまいます。身体的には厳しいのですが、そこで得られた体験と言うものは、やはり何物にも代え難い飛び切りの経験であるので、完全に中毒になっているようです。
 こうした旅で出会った人や手助けしてくれた人たちは僕の様な金の無い旅行者にとことん優しかった。あの時助けてくれたりアドバイスしてくれたからこそ、今ここにいる事が出来たり、怪我をしなかったりと肉体的にも助けてくれたことも多かった事を思い出します。
 そしてやはり僕はこういう旅しかできないんだという思いに至りました。
 以前よりは懐が暖かくてもつい安宿を選んでしまったり、バスを選んでしまったり、バンコクの路上の屋台で食事をしたりと貧乏旅ではありますが、金を切り詰める事が目的なのではなく、金を掛けない旅でなければ見えない物も確実に有ります。
 今後も僕はこうした旅を続けて行くと思います。決してガイドブックに載らない所を見て回っているはずです。そして皆様に会う度に、僕でないと発信できない情報をこれからもお伝えできればと考えています。

 次回は、4月入社の期待の新人、竹原さんです。


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