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社員リレー・エッセイ ②海江田 博子 (仕入部)

公開日: : 最終更新日:2016/05/31 ライブラリー, 新・連載エッセイ, オフィス便り

『ラシーヌのオフィス』

 今年1月ラシーヌに入社したばかりの海江田博子です。仕入部で輸入事務を担当しています。今回は、私が日々を過ごしているラシーヌのオフィスについて、ご紹介したいと思います。

 ラシーヌの社員には有能な方々が多く、実際の仕事をつうじてワイン業界の知識と経験を身につけられているようです。私にとっては、ワインに関わる仕事をするのはラシーヌが初めてです。もともとワインは趣味としてゆるく習っていた程度なのですが、ワインに関わる仕事ができたらいいなぁという思いがいつのまにか芽生え、幸運にも現在に至っています。念願叶ったとはいえ、仕事として、プロとしてワインに向き合うラシーヌでの毎日は、日々勉強。趣味の一部として外側から眺めるワインの世界と、仕事として向き合うワインの世界は大きく違い、当初は驚くことばかりです。煌々と蛍光灯が灯るフロアにずらりと並ぶオフィス机と複合機。私がこれまで勤務してきた「会社」と、ラシーヌのオフィスはかなり違いました。そんな新入りの私がラシーヌに入社して、新鮮だと感じた発見を挙げてみます。

≪スリッパで仕事≫

 面接で初めて会社を訪れて驚いたのが、玄関で靴を脱ぐこと。「家みたいな会社」というのが、第一印象でした。朝出社したら、みなオフィスの玄関で靴を脱ぎ、自分のスリッパに履き変えて仕事に就きます。これまでの会社勤めでは、夕方になると足のむくみと格闘、自宅に戻って靴を脱いだ瞬間やっと「ホっ」としたものです。スリッパに履き替え、オフィス内はフローリング。なんだか自宅で仕事をしているようなリラックスした気分で、朝の仕事をスタートできます。

≪朝のお茶≫

 9時半の始業で皆デスクに着いた後は、お茶の時間。毎朝10時前後に社員が当番制で、全員分のお茶を淹れます。ラシーヌでは続いている慣行だそうです。茶葉は、合田さん選りすぐりのほうじ茶かお煎茶。先輩方がていねいに淹れてくださるお茶は、ほんのり甘くてとても美味しい。
 前夜海外から届いたメールの対応で、朝はパニックになりがちな私にとって、「朝のお茶」はその日一日のスタートのホイッスルのような感じです。また、毎朝同じ時間にいただくことで、社員ひとりひとりがその日の自分の味覚や体調の微妙な違いを感じることができます。入社直後にこのやや古き良き(?)慣習的なお茶の意義について、先輩が教えてくれました。「ワインという繊細な商品を扱うのだから、毎朝丁寧に淹れた良質なお茶をいただくことで、社員全員が自分自身の感覚に敏感になり、かつそれを研ぎ澄ませておかなくてはいけない」、という合田さんの考えに基づいているそうです。納得。

≪執務室にキッチン≫

 初めて面接でうかがったときに、驚いたこと。それは合田さんと塚原さんの執務室。立派なキッチンとダイニングテーブルがしつらえられ、至るところにワインの空きボトル。和洋を問わず沢山のワイン関係の蔵書。大きなセラーも2台。初めて面接でうかがった日の緊張と興奮は忘れません。東京の中心部(?)四ツ谷のオフィスにあって、お二人の執務室はまさにヨーロッパの家屋の一室のような雰囲気です。この部屋は社員が少人数でテイスティングをする場所でもあり、ワイン1本1本が持つ良いところを最大限に引き出してくれる部屋と、私は勝手に思っています。

≪3分間スピーチ≫

 ラシーヌでは毎週月曜の朝9時から、全員ミーティングがあります。両トップと全社員が1階の「試飲ルーム」に集まり、楕円形に組み合わされたテーブルを囲みます。入社初日、このミーティングに参加して驚いたのが、伝達事項のあとに待っている、全社員持ち回りの「3分間スピーチ」。といっても、スピーチ役は一回に一人だけです。スピーチは、これまで勤めてきた会社でもあったのですが、大体は会社の事業や業務に関連したテーマでした。しかし、ラシーヌの「3分間スピーチ」のテーマは何でもありで、社員それぞれが興味を持っていること、関心のあること、なんでもよいのです。最初はワインについて語らなきゃいけないのかな!? と戦々恐々としていたのですが、ワインについてはそれぞれ一家言もニ家言もあるラシーヌの諸先輩方も、取り上げるテーマは、「自分の家族について」「インド音楽」「植物を観察すること」「クローン人間」などなど。業務の枠を超えて、会社での立場を超えて、様々な人間くさい議論が飛び交います。
 この「3分間スピーチ」の時間で私がいつも思うのは、ワインは造り手自身の「表現」であり、それを理解するにはまず人間(の精神や心)を深く理解しなくてはいけないということ。勝手な解釈ですが、「3分間スピーチ」はワインに携わる者の原点を教えてくれる絶好の場です。

 ここにあげたのは、私がこの4カ月の間に気が付いたほんの一例です。ほかにも、ラシーヌの「ローカル・ルール」がたくさんあって、ワインの持ち味を引き出す工夫が随所に見られますが、それは秘密。 ラシーヌのワインをお楽しみいただいているみなさまに、私たち社員が毎日を過ごしているオフィスの雰囲気が少しでも伝わりましたら幸いです。

 次回のエッセイは、私のデスクの左隣、いつもテキパキ仕事をされる、業務管理部の太田さんにお願いしたいと思います。


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